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2017年05月21日

~心を一つに、地域を守る~ 平成29年度 吉野川・那賀川合同総合水防演習

◇はじめに
  出水期を前にした平成29年5月21日(日)、水防機関の連携強化、水防団の水防技術の習熟と関係機関および流域住民の水防意識高揚を目的として、徳島県徳島市住吉4丁目地先の徳島市民吉野川運動広場にて、67団体約700人、見学者等を含め総勢約2,000人が参加し、『平成29年度  吉野川・那賀川合同総合水防演習』を実施しました。
  四国での水防演習は昭和59年に吉野川から始まり、毎年四国四県を順に実施し、吉野川での水防演習は8回目となります。
  演習当日は天候に恵まれ、午前9時、徳島市消防副団長(指揮者)の号令により演習が開始されました。
  演習は、「超大型で猛烈な台風による大雨の影響で、吉野川全流域にわたって大洪水になる恐れがある」との想定のもと実施されました。以下に主な実施内容の概要を報告します。


開会式(全体)


  
開会式(各水防班集合)

◇水防工法の実施
  流域13市町(徳島市、鳴門市、小松島市、阿南市、吉野川市、阿波市、石井町、那賀町、松茂町、北島町、藍住町、板野町、上板町)および消防団体など、多数の関係機関が参加し、タイムラインに沿った実践的な訓練を実施しました。
  水防工法は(準備工、堤防斜面の崩れ対策工、漏水対策工、越水対策工)に分けて実施し、準備工にあわせ、藤井国土交通大臣政務官や飯泉徳島県知事をはじめ、演習役員、城東小学校生や阿南高専生も「土のう作り」体験に参加しました。
  水防団による水防工法訓練は、河岸侵食が頻発する吉野川において、沿川に植生する木を用いた「木流し工」や「シート張り工」を実施し、吉野川の特色を考慮した水防工法を重点的に訓練しました。
  今回の演習では、伝統的な水防工法を基本としながら、現代の技術を応用し、改良された最新の水防工法として「応急型木流し工」「応急型シート張り工」を全国で初めて演習に取り入れました。

  
(左写真)土のう作り   (右写真)杭ごしらえ

  
(左写真)応急型木流し工   (右写真)応急型シート張り工

  
(左写真)月の輪工   (右写真)釜段工

◇情報伝達訓練・ライフライン復旧・人命救助訓練など
  水防工法訓練の他に、徳島河川国道事務所長から徳島市長、藍住町長への情報伝達(ホットライン)を実施しタイムラインに沿った訓練を行いました。
  NTT西日本グループ、NTTドコモグループ、四国電力グループによるライフライン復旧訓練や、徳島東警察署、北島町太郎八須団地自治会自主防災会、城東小学校児童等による避難訓練等を実施しました。
  また、「愛らんど号」による被災状況調査、陸上自衛隊ヘリコプターによる孤立者の吊り上げ救助訓練を実施、道路啓開訓練では、洪水により流されてきた車両が国道を塞いでいるとの想定で、建設業協会の重機により車両撤去を行いました。
  その他、大塚製薬工場の浸水防止用ゲート閉門訓練(VTR)や要配慮者利用施設避難訓練(VTR)、航路啓開訓練(VTR)や、建設コンサルタンツ協会による防災用マルチヘリコプター(ドローン)を活用した被災箇所調査訓練、徳島県トラック協会による救援物資搬送訓練も実施されました。

  
(左写真)徳島市長へのホットライン  (右写真)配電線復旧訓練

  
(左写真)避難訓練   (右写真)愛らんど号による被災状況調査

  
(左写真)陸自による孤立者救助訓練  (右写真)道路啓開訓練

◇緊急災害対策派遣隊訓練
  徳島県知事から四国地方整備局長へ、吉野川の被災状況調査や自治体などの技術的な支援を実施するため、国土交通省緊急災害対策派遣隊(通称:TEC-FORCE)への出動要請があり、派遣を決定、出動する訓練を実施しました。

  
(左・右写真)緊急災害対策派遣隊訓練

◇体験・PRコーナーなど
  演習会場では、一般参加者に水防工法をより身近に感じてもらうため、水防工法として最も基本的な土のう作りやロープワークの体験、降雨体験車や地震体験車、土石流3Dシアターやトンネル点検車など、多くの方々に実際に体感してもらいました。
   
(左写真)ロープワーク体験   (右写真)土のう作り体験

◇おわりに
  四国地方も出水期を迎え、雨が多くなる季節になります。今回の総合水防演習を活かし、今後も関係機関と連携して、防災に万全の備えを行っていきます。
  最後に、御協力頂きました参加機関および関係の皆様方に深くお礼申し上げます。

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記事の分類: H29年度