<<トップページ <<総論 <<2.四国の河川に成立する植生の解説3.群落名を統一することの意味 <<前のページ >>次のページ

 
(3)群落名を統一することの意味
 前頁の表1 に示したように、これまでに河川水辺の国勢調査において四国では218 の植物群落が報告されている。しかしこの中には、アカメヤナギ−エノキ群落、アカメヤナギ−オギ群落、アカメヤナギ−ツルヨシ群落(以上3 群落とも平成5 年度の四万十川での調査報告)のように、類似した群落が別名で報告されている例も少なくない。

 植物群落の名前に統一性がとれていなければ、河川行政担当者が河川環境の保全や植生の復元を図ろうとするときに混乱を招くのは必至である。四国内の河川植生が整理・統一されれば、群落の組成的、生態的特徴が明らかとなる。さらに、各植生と河川環境との関わりなどがまとめられれば、今後の河川行政における有効な資料となるに違いない。

 河川水辺の国勢調査が始まり約10 年が経ち調査結果の有効的な活用が望まれている河川行政への調査結果の効果的な還元として、河川水辺の国勢調査により得られた586の貴重な群落組成調査資料の解析とともに、上記に示したように四国内の河川植生の実体を明らかにし、統一した河川植生の見解を示す必要がある。