第十堰問題のいい解決に向けて/中間提言

-みなさんからのご意見をお寄せください−

2000.7.15
「明日の吉野川と市民参加のあり方を考える懇談会」


目  次
1.はじめに
・ 私たちの懇談会は様々な考えをもった市民有志の集まりです
・ 第十堰を含む吉野川における参加と対話のあり方の検討、対話の場実現への働きかけを目的としています
・第十堰について新しい参加の仕組みと多様な選択肢を用意する方法を検討してきました
・まず課題を整理し、共有できるテーマから話し合いを
・みなさんからのご意見をお寄せください
2.これまでに不足していたこと
(1)計画をつくる各段階での情報公開や市民参加に問題があった
(2)意見や立場が異なる市民(団体)間の話し合いが不足していた
(3)治水・利水と環境、歴史、文化、空間の価値といった多様な価値観の論議がなかった
(4)多様な選択肢がなかった
3.みんなでいい解決をするための新しい仕組みに向けて
(1)第十堰に関する団体が「共通のテーブル」で話し合うことが必要
(2)流域全体の市民が参加できる仕組みが必要
(3)治水と環境・空間価値(風景、体験)を融合させる新しい智恵を出す
(4)多様な選択肢を用意してみんなで考える
4.多様な案の受け皿や市民参加・合意形成の仕組みを用意する
・市民案をつくる活動に対して、現状では市民案の受け皿や評価の仕組みなどがない
・市民案も含めた多様な案の受け皿や新しい案をみんなで検討する方法を「共通のテーブル」で話し合う
5.「共通のテーブル」のイメージ
(1)「共通のテーブル」の構成と運営/異なる意見が公正に反映される
・建設省の従来計画に対する賛成、反対の対立が固定化していることが解決を困難にしている
・こうした対立的状況を融和する方向をめざす
・「共通のテーブル」は異なる意見が公正に反映できるようバランスのとれた構成とする
・公正、中立な第三者による運営や専門家のサポートなどについて話し合う
・流域全体の意見を反映する参加の仕組みについて話し合う
(2)話し合いの手順/現状認識と課題を整理し、共有化する方法について話し合う
・課題を出し合い整理し、討論する優先順位を確認する話し合いから始める
・一致しない点は一時保留し一致点を積み上げていき、一時保留した課題に戻るという話し合いの仕方
(3)共通していると思われる部分
・「第十堰のよりいい案を市民参加で検討する」という点で建設省と市民団体の間に共通点がある
・「よりいい案をみんなで検討するための方法」を話し合う
6.「共通のテーブル」で話し合うテーマ
(1)「多様な案」の前提となる計画条件を共有化する方法について話し合う
・現状認識や計画条件を共有化することが基本になる
・計画条件が共有化されていれば、案の選択で意見が分かれても深刻な対立にはならない
・様々な立場や価値観をもった人が共有できる計画条件とは何かを話し合う
・計画条件を共有化するための市民参加について話し合う
(2)比較検討するための「多様な案」を用意する方法を話し合う
・ひとつの選択肢しかなかったから○か×かの「選択」になった
・市民が求めているのは「何がいいか」を選択することではないか
・「多様な選択肢」を用意して、その中から市民が選択できるような仕組みをつくる
・市民参加によるアイデア募集や専門家レベルのコンペなど、多様な案を用意する方法を話し合う
(3)「多様な案」を評価・選択する仕組みについて話し合う
・建設省や行政が選んだ審議委員会が評価するという仕組みはうまく機能しなかった
・案の受け皿や評価の基準、評価する人の構成などをあらかじめ市民合意の下に用意しておく
・流域住民と専門家による評価委員会を設ける
・評価委員会の構成など選定方法などについて話し合う
(4)それぞれの過程に広く流域住民が参加する方法を話し合う
・市民が参加して、多様な案を探り、選択していく各過程に流域住民が参加する方法を話し合う
・流域住民が参加する仕組みや合意形成の方法などを話し合う
7.建設省が取り組むこと/問題解決に向けた一層の努力を
・住民意見の把握、情報公開、説明責任、市民意見に対する対応などの問題があった
・これまでの過程と問題点を整理し、問題解決に向けた一層の努力を要請する
8.おわりに
・みんなで「よりいい案」を考える
・「みんなでよりいい解決」を共通の目標に
・意見や立場の違いを敵視するのではなくよきパートナーとして
・みなさんからの意見をもとに「中間提言」をさらに充実させていきたい