8. おわりに



●みんなで「よりいい案」を考える
 今、現堰を生かした市民案をつくろうという市民団体の活動が生まれています。建設省も従来の案にこだわらずちがった案を市民参加で検討したいといっています。対立の段階から、「いい案をみんなで考える」、そういう時期にさしかかっているのだと思います。
 様々な価値観をもった市民が参加して、その中から共有できる条件や多様な価値観を融合した条件を見つけだし、幅広い市民や専門家の英知を集めてこれまでよりもっと「いい案」をつくるということに向かって、新しい動きを開始することが必要だと思います。
●「みんなでいい解決」を共通の目標に
 みんなで考えるといっても、様々な立場や考え方の違いがありますから、そう簡単なことではないでしょう。しかし、先々何らかの解決策が必要なことだけは確かだと思います。
 私たちの懇談会でも、意見の食い違いがあります。でも、とにかく前に進む、一致できるところをひとつずつ見つけようということで話し合いをすすめてきました。それは、「みんなでいい解決策を考える」ということを申し合わせ事項としているからです。
 私たちもみなさんと同じ一般の市民です。私たちにできることは市民全体でもできることではないでしょうか。「みんなでいい解決」、そういう目標で新しい議論ができないでしょうか。
●意見や立場の違いを敵視するのではなくよきパートナーとして
 私たちの懇談会には、建設省の可動堰計画に反対の人、賛成の人、様々な意見をお持ちの方が参加しています。時には、対立的な議論になることもあります。しかし、そんなときでも、「市民参加のあり方や第十堰の解決方法を考える場」という原点に戻って、どうしたらいいかを話し合うことにしています。その意味では、ひとつの「共通のテーブル」の形が実現しているといえると思います。
 どんな課題でも、協議の場に異なる考え方がパートナーとして含まれていなければ、多くの人の納得を導き出すことはできないでしょう。建設省とそれぞれの団体との個別のやりとりだけではなく、意見の異なる市民同士が話しあえる場をつくって、問題解決に向けた話し合いを始めませんか。
●みなさんからの意見をもとに「中間提言」をさらに充実させていきたい
 ここで提案している中身は、6回にわたる懇談会での議論を集約した中間的なまとめです。私たちは、今後、賛成、反対団体のみなさんのところに行っていろいろお話を伺ってきたり、市民のみなさんや流域市町村から意見をいただくことなどを検討しています。
 この懇談会自体、流域の方々の意見を反映した運営にしたい。そう考えています。私たちの提案に対するご意見をお寄せください。