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目 次
1.用語集の目的
2.水文観測全般(1)
2.水文観測全般(2)
3.雨量観測
4.水位観測
5.高水流量観測(1)
  5.高水流量観測(2)
  6.低水流量観測
  7.H-Q曲線
  8.資料整理
  9.痕跡調査
  10.参考文献

五十音順

6.低水流量観測 ←前章 次章→

6.1.低水流量観測

 一般に、河川の流量は直接計測することができないため、河川の流速を計測し、それに横断面積を乗じて流量を算出する。低水流量観測とは、河川の平常時の流量を観測することである。観測機器としては、四国地方整備局管内では、電磁流速計が用いられることが多い。観測値は、計画等の基礎資料として用いられる。使用目的については、『水文観測の手引き 導入編 P6〜11』を参照されたい。

6.2.水深測線

 低水流量観測の場合、年間を通して観測を実施するため、水面幅の変動が大きく、測線配置(測線間隔)は、観測毎に変化するため、観測時に決定する。
 水深測線とは、水面幅に応じて設定された測線分割の区画線をいい、流速測線も含めた測線のことである。水深測線の本数は、流速測線の2倍となる。
図:低水流量観測の測線配置
出典:絵でみる水文観測 P157

6.3.流速測線

 低水流量観測の場合、年間を通して観測を実施するため、水面幅の変動が大きく、測線配置(測線間隔)は、観測毎に変化するため、観測時に決定する。
 流速測線とは、水深測線(測線)のうち、流速を計測する測線のことであり、全水深測線(測線)数の1/2の本数となる。
図:低水流量観測の測線配置
出典:絵でみる水文観測 P157

6.4.プライス式流速計

 プライス式流速計とは、6個の円すい状のカップが、流れにより水平方向に回転し流速を計測する。回転数に比例して音を発生させ、金属管を通じて耳で直接聞き取る聴音式と、電気的にブザーを鳴らし回転数を知らせる電音式とがある。電音式が一般に使われている。
 カップが多少ゆがんでも、回転数と流速の関係を示す検定式がほとんど変わらない,流れに対し水平面内に角度のずれが生じても大きな流速測定誤差を生じない利点を持つ。
写真:プライス式流速計
出典:大田商事株式会社 カタログ P272

6.5.三映式流速計

 三映式流速計とは、回転部につけられたプロペラ型の3枚の羽根が、流れにより回転し流速を計測する。
 羽根の形が少し変わると、検定により求めた係数が比較的大幅に変わる,流れの方向に正しく向けないと流速が正確に計測できないなどの欠点を持つ。
写真:三映式流速計
出典:大田商事株式会社 カタログ P273

6.6.可搬型電磁流速計

 可搬型電磁流速計とは、ファラデーの電磁誘導の法則を利用したもので、電導体が磁界内を移動すると、その導体の移動速度に比例した電圧が発生し、その電圧から流速を求める機器である。機器の特性(磁界範囲)上、水面付近や河床付近は計測できない。
写真:電磁流速計
出典:株式会社 東邦電探 総合カタログ P16

6.7.1点法

 1点法とは、流速計を用いた低水流量観測において、流速測線上の鉛直方向に、水面から水深の6割の位置で流速測定を行う方法である。四国地方整備局管内では、観測地点の水深が75cm以下の場合、1点法を採用することととしている。
図:低水流量観測方法の概念図

6.8.2点法

 2点法とは、流速計を用いた低水流量観測において、流速測線上の鉛直方向に水面から水深の2割,8割の位置で流速測定を行う方法である。四国地方整備局管内では、観測地点の水深が75cmより深い場合、2点法を採用することとしている。
図:低水流量観測方法の概念図



6.9.精密法

 精密法とは、流速計を用いた低水流量観測において、流速測線上の鉛直方向に水面より20cm間隔で測定し、その平均値をその測線の流速とする方法である。
図:低水流量観測方法の概念図

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