陸封アユ
野村ダムには、ダム湖(と流入河川)で再生産を繰り返す陸封型のアユ個体群がいます。
人工湖でアユが20年以上に渡って自然に再生産を続け、漁業レベルの資源量が維持されている例は全国的にも極めて稀です。野村ダムのアユは1982年に放流された鹿児島県鶴田ダム湖産のアユ(海産系の陸封アユ)を起源としています。
ダムの陸封アユとは?
海と川を回遊していた魚が川や湖等の流水域に留まり、一生を過ごすようになることを陸封と言います。ダムの陸封アユとは、ダム湖を海の代わりに利用し、ダム湖と流入河川を回遊しながら生活するアユのことです。
陸封アユの一年
ダム湖内で冬の間、仔稚魚期を過ごしたアユは、若アユとなって4~6月に流入河川(肱川、稲生川)に遡上します。
肱川本川はJR下宇和駅付近、稲生川は鳥鹿野付近まで遡上します。
野村ダムでのアユの産卵は9~10月(ピークは9月下旬~10月初旬頃)と、四国の一般的な河川よりも1~2ケ月早いことが特徴です。
卵から孵ったアユはダム湖に流下し、冬の間、湖内でプランクトンを食べて成長します。