平成30年5月28日
     平成28年度・平成29年度
第十堰周辺の現状調査結果について
 国土交通省徳島河川国道事務所では、「『よりよい吉野川づくり』に向けて」 (平成16年4月27日発表)の基本的な考え方に基づき、第十堰で継続的に調査を実施し、得られたデータについては、当事務所ホームページ等を通じて、一般に公表することとしております。
 この度、平成28・29年度に実施してきた以下の調査結果をとりまとめましたので、公表します。
■平成28・29年度の洪水状況
   平成28・29年度は、主に以下の台風による洪水がありました。それぞれの洪水規模は以下の通りでした。
 なお、以下に記す水位、流量は中央橋地点(阿波市吉野町柿原地先)及び岩津地点(阿波市阿波町乙岩津地先)のものです。
(平成29年度の流量については速報値であるため、今後変更する場合があります。
また、平成28年9月20日の岩津地点観測データは機器整備に伴い欠測の為、中央橋地点を記載しています。)

◇平成28年9月20日 台風16号
 ピーク水位:2.73m、ピーク流量:約2,900m3/s(中央橋地点)

◇平成29年9月18日 台風18号
 ピーク水位:3.59m、ピーク流量:約4,000m3/s(岩津地点)
 
◇平成29年10月22日 台風21号
 ピーク水位:5.12m、ピーク流量:約8,500m3/s(岩津地点)

(参考)岩津水位観測所  水防団待機水位 3.3m 氾濫注意水位 5.3m
(参考)中央橋水位観測所 水防団待機水位 3.4m 氾濫注意水位 4.9m


■平成28年度の第十堰周辺の現状調査結果(PDF)
【堰の形状・変状確認】
(1)
形状調査 《別添−1
  下堰・上堰の堰上及びその周辺において、前回調査(平成16年度)からの堰の形状変化を把握することを目的に、H28年度は横断測量を実施しました。
○調査結果
堰の大きな形状変化は確認されませんでした。また、上堰の堰上及び周辺においては、土砂堆積が起きていましたが、堰の機能に影響はないと考えられます。

(2)
地下レーダー探査調査 《別添−2
  平成27年度の調査で空洞の可能性が考えられる箇所の周辺について、その状況を把握するため、地下レーダー探査調査を実施しました。また、2箇所でボーリング調査を実施し、内部の状況を確認しました。
○調査結果
地下レーダー探査調査及びボーリング調査結果、調査箇所で新たな空洞の存在は確認されませんでした

【堰下流の河床変化確認】
(1)
堰下流右岸深掘状況調査 《別添−3
  堰下流右岸で確認されている局所洗掘箇所において、出水中の深掘れ進行状況(河床変動)を把握することを目的に、河床に水位計を設置し、変動状況のデータを取得して過年度調査結果と比較しました。
○調査結果
平成27年から大きな変化はなく、深掘れ箇所は対策工の実施により安定しています。

(2)
河床形状調査 《別添−4
  堰下流右岸の経年的な河床形状を面的に把握することを目的に、ソナーヘッド(河床に向けて音波を発振し、反射した複数の音波が到達するまでの時間差から水深を測定する器械)を用いた測量を実施し、過年度の調査結果と比較しました。
○調査結果
平成27年から大きな変化はありませんでした

【迂回流の発生状況の確認】
(1)
左岸迂回流調査
  調査機器を設置している左岸高水敷が冠水することは無く、データの取得には至りませんでした

【迂回流の発生状況の確認】
(1)
堰上流水位計測
  水位が観測機器の設置高まで達せず、データの取得には至りませんでした

■平成29年度の第十堰周辺の現状調査結果(PDF)
【堰の形状・変状確認】
(1)
形状調査 《別添−1
  第十堰の過去の変状箇所に対し、変化を定性的また定量的に把握するために変状箇所の状況確認及び現地においてメジャー等による変状幅や変位量の計測を実施し、過年度の調査結果と比較を行いました。
○調査結果
調査の結果、変化は確認されませんでした

【堰下流の河床変化確認】
(1)
堰下流右岸深掘状況調査 《別添−2
  堰下流右岸で確認されている局所洗掘箇所において、出水時の深掘れ進行状況(河床変動)を把握することを目的に、河床に水位計を設置し、変動状況のデータを取得して過年度調査結果と比較しました。
○調査結果
平成28年から大きな変化はなく、深掘れ箇所は対策工の実施により安定しています。

(2)
河床形状調査 《別添−3
  堰下流右岸の経年的な河床形状を面的に把握することを目的に、ソナーヘッド(河床に向けて音波を発振し、反射した複数の音波が到達するまでの時間差から水深を測定する器械)を用いた測量を実施し、過年度の調査結果と比較しました。
○調査結果
平成28年から大きな変化はありませんでした

【迂回流の発生状況の確認】
(1)
左岸迂回流調査
  調査機器を設置している左岸高水敷が冠水することは無く、データの取得には至りませんでした

【堰周辺の水位状況確認】
(1)
形状調査 《別添−4
  洪水時における堰上下流、左右岸の水位状況を把握するため、堰の周辺に水位計を設置し、洪水中の水位の計測を行いました。
○調査結果
台風21号時の水位を計測しました。

■今後について
   第十堰の影響による「せき上げ」等の水理現象の解明のため、引き続きデータ取得・蓄積を実施する必要があります。
 また、堰下流右岸の局所深掘れについては、近年では大きな変動は見受けられないものの、注視する必要があるため今後も継続的に調査を実施する予定です。
 なお、引き続き適切な維持管理を実施するため、堰の老朽化については劣化状態の把握に努めます。