国土交通省徳島河川国道事務所では、「『よりよい吉野川づくり』に向けて」 (平成16年4月27日発表)の基本的な考え方に基づき、第十堰で継続的に調査を実施し、得られたデータについては、当事務所ホームページ等を通じて、一般に公表することとしております。
この度、平成27年度に実施してきた以下の調査結果をとりまとめましたので、公表します。
この度、平成27年度に実施してきた以下の調査結果をとりまとめましたので、公表します。
■平成27年度の洪水状況 | |
平成27年度は、主に以下の台風による洪水がありました。それぞれの洪水規模は以下の通りでした。 なお、以下に記す水位、流量は全て岩津地点(阿波市阿波町乙岩津地先)のものです。(流量については速報値であるため、今後変更する場合があります) ◇平成27年7月17日 台風11号 ピーク水位:4.35m、ピーク流量:約5,400m3/s ◇平成27年7月22日 台風12号 ピーク水位:2.98m、ピーク流量:約2,600m3/s ◇平成26年10月13日 台風19号 ピーク水位:2.46m、ピーク流量:約1,900m3/s |
|
■平成27年度の第十堰周辺の現状調査結果(PDF) | |
【堰の形状・変状確認】 | |
(1) |
形状調査 《別添−1![]() |
第十堰の経年的な変状箇所に対し、変化を定性的また定量的に把握するために変状箇所の状況確認及び現地においてメジャー等による変状幅や変位量の計測を実施し、過年度の調査結果と比較を行いました。 調査結果 経年的な変状箇所及び計測箇所全体の変状幅や変位量に対する大きな変化は確認されませんでした。 |
|
(2) |
空洞箇所の詳細調査 《別添−2![]() |
過去の調査より堰下の空洞化が発生している箇所において、非破壊調査を行い、空洞の進行状況等の確認を行いました。 調査結果 空洞(3)箇所においては、レーダー探査による空洞判定範囲の拡大や、堰下の空洞厚に大きな変化が無いため、進行は認められませんでした。 空洞(4)箇所においては、レーダー探査の結果、新たな空洞範囲が確認でき、今後の進行等について、注視する必要があります。 また、堰下流の漏水に関連し、今回新たに空洞が確認された箇所においては、堰下に浸透水の滞水が確認されたが、明確な水の流れは確認できなかったため、漏水との関係性の確認のため、引き続き調査を実施する必要があります。 |
|
【堰上流水位観測】 | |
(1) |
堰上流の水位計測 《別添−3![]() |
洪水時における堰上下流、左右岸の水位状況を把握するため、堰の周辺に水位計を設置し、洪水中の水位の計測を行いました。 調査結果 台風11号時の水位を計測しました。 |
|
【堰下流の河床変化確認】 | |
(1) |
堰下流右岸深掘状況調査 《別添−4![]() |
昭和51年洪水による堰下流右岸で確認されている局所深掘れ箇所において、洪水時の深掘れ進行状況を確認するため河床に水位計を設置し、変動状況のデータを取得し過年度の調査結果と比較を行いました。 調査結果 台風15号通過後に水位計を回収した結果、昭和51年洪水による異常深掘れ箇所は対策工の実施により安定傾向であり、全体的にも前回の河床状況に対して洗掘していますが、経年的に見ると概ね安定していました。 |
(2) |
河床形状調査 《別添−5![]() |
堰下流右岸の経年的な河床形状を把握するため、ソナーヘッド(河床に向けて音波を発振し、反射した複数の音波が到達するまでの時間差から水深を測定する器械)を用いた測量を実施し、過年度の調査結果と比較を行いました。 調査結果 過年度の調査結果と比較すると、堰の直下においては河床の大きな変化はありませんが、更に下流では砂州が右岸側に拡大している状況が確認されました。 |
|
【迂回流の発生状況の確認】 | |
(1) |
左岸迂回流調査 |
洪水時の堰左岸の迂回流について、流向及び流速の状況を把握するため電磁流向・流速計を用いた調査を行いました。 調査結果 平成27年度において台風による出水が幾度かありましたが、調査機器を設置している左岸高水敷が冠水することは無く、データの取得には至りませんでした。 |
|
■平成28年度の第十堰周辺の現状調査予定 | |
第十堰の影響により近年の洪水において、せき上げ等の水理現象の解明のため、引き続きデータ取得・蓄積や、堰の老朽化については、劣化状態の把握に努めるとともに、適切な維持管理を実施する必要があります。また、堰下流右岸の局所深掘れについては、近年では大きな変動は見受けられないものの、引き続き注視する必要があるため、平成28年度についても平成27年度と同様の調査に加えて、新たに空洞を確認した箇所の周辺において重点的にレーダー探査を実施する予定です。 |