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ヨモギ群落
低〜高水敷 在来




識別ポイント
安定した低水敷から高水敷、堤防法面に、ヨモギが優占することで識別できる。ヨモギはほかの植生にもよく出現するが、ヨモギ以外に特徴づけるような種群を含まない群落を、本群落に位置づける。群落高は0.2 〜1.7mと、攪乱条件などにより大きく異なる。

構成種
構成種は数〜25 種程度、平均は15 種程度と立地条件などにより大きく異なる。コマツヨイグサ、コセンダングサ、ヤハズソウ、シロツメクサ、カスマグサなどの出現頻度が高い。

成育立地の環境特性
乾燥から適湿な富栄養な立地である。冠水または不定期な刈り取りにより維持される。これらの頻度が低下すると、ノイバラ群落、アカメガシワ−ヌルデ群落などの低木林へと移行する。

生態的機能
バッタ類などの生息環境となっている。

隣接する群落
水辺側ではオギ群落などと隣接する。陸域側ではクズ群落、ノイバラ群落、堤防法面のチガヤ−ヒメジョオン群落などと隣接する。

四国での分布
徳島県、香川県、愛媛県に河口をもつ河川で確認されている。それらの河川における分布範囲は広い。


保全上の留意点
特に留意する点はない。

植物社会学上の位置づけ
本群落と類似したヨモギの優占する植生は、ヨモギ−ユウガギク群集が知られている。上級単位は、ヨモギ−チカラシバ群団、ヨモギオーダー、ヨモギクラスである。