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セイタカアワダチソウ群落
低〜高水敷 外来




識別ポイント
低水敷から高水敷に、外来植物のセイタカアワダチソウが優占することで識別できる。晩夏〜秋、セイタカアワダチソウは黄色の花を一面に咲かせるため、この時期なら離れた場所からでも容易に識別できる。群落高は1.5 〜2m 、ときに3m に達することもある。

構成種
構成種は数〜25 種程度と立地条件などにより大きく異なる。ヨモギ、ツルマメ、ヒナタイノコズチ、ヨメナなどヨモギクラスの種の出現頻度が高い。

成育立地の環境特性
富栄養な土砂が堆積した湿潤な立地に大群落を作る。将来的にはノイバラ群落、アカメガシワ−ヌルデ群落などの低木林へと移行すると考えられる。

生態的機能
外来植物群落であり、自然性は低い。低水敷では自然植生のオギ群落の立地と競合する。オギ群落などイネ科草原を生息環境とする哺乳類のカヤネズミは、広葉草本主体のセイタカアワダチソウ群落では巣を作ることができず、生息が困難となる。

隣接する群落
水辺側ではオギ群落、ツルヨシ群落と隣接する。陸域側ではヨモギ群落、クズ群落、ノイバラ群落、堤防法面のチガヤ−ヒメジョオン群落などと隣接する。

四国での分布
ほとんどの河川で確認されており、分布範囲も広い。


保全上の留意点
一頃のように、日本中を席巻した勢いはなくなったが、市街地の空き地や河川などでは、広い面積で繁茂し、オギ群落などの自然植生を脅かしている。年に3 回以上の刈り取りを続ければ、セイタカアワダチソウは相当衰退していくので、駆除が必要な場合は現状を調査しながら、高頻度な管理を実施する必要があろう。

植物社会学上の位置づけ
群集レベルでの位置づけはされていないが、ヨモギ−チカラシバ群団、ヨモギオーダー、ヨモギクラスにまとめられる。