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アラカシ群落
山付き 在来




識別ポイント
おもに山付区間に成立した、照葉樹(常緑広葉樹)のアラカシが優占する高木林であり、離れた場所からでも容易に識別できる。群落高は8 〜17m である。

構成種
構成種は約30 〜40 種である。おもにヤブツバキ、アオキ、テイカカズラ、ヤブランなどのヤブツバキクラスの種が出現する。

成育立地の環境特性
ほとんど冠水しない安定した山付き部などの立地である。立地が破壊されない限り、崖地など土壌の未発達な場所は土地的な極相として維持され、傾斜が緩く土壌が発達する場所では、気候的な極相としてスダジイの群落へ移行する。

生態的機能
山付区間に成立する自然性の高い森林であり、土壌保全機能も高いと考えられる。アラカシの堅果(ドングリ)は、ネズミ類やカケスなどの餌となる。

四国での分布
吉野川、肱川、仁淀川、四万十川、物部川で確認されている。山付区間の多い四万十川、肱川では分布範囲が広い。一方、おもに平野部を流れる吉野川では、上流部にわずかに分布するのみである。


保全上の留意点
自然性の高い森林であり、土壌保全機能も高いと考えられることから、治水上問題のない限り、立地を保全する必要がある。

植物社会学上の位置づけ
上級単位はヤブツバキクラスにまとめられる。