■サンカクイ群落 類似群落: カサスゲ群落 参考群落: アゼナルコ群落 ヤマイ-トダシバ群落
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![]() ■識別ポイント いずれの群落もカヤツリグサ科の多年草が優占する植生であり、サンカクイ群落およびカサスゲ群落は湾入部、池などの止水域の水際に発達するカヤツリグサ科の植物群落である。アゼナルコ群落とヤマイ−トダシバ群落は湛水域ではなく過湿な立地に成立するが、それぞれ仁淀川、土器川でわずかな面積で確認されているだけである。 ■構成種 サンカクイ群落およびカサスゲ群落は草丈は1m 前後である。サンカクイは一種のみの純群落を形成するが、カサスゲ群落は、ゴキヅル、コシロネなどをともない、構成種が2 〜8 種となる。 ■成育立地の環境特性・生態的機能 サンカクイ群落およびカサスゲ群落の成立地は過湿な泥質地である。カサスゲ群落の成立地の水深はせいぜい20cm 程度であり、トンボなどの水生生物にとって良好な生活の場を提供している。 ■隣接する群落 陸側にヤナギ林、オギ群落など、水側にヨシ群落、ヒメガマ群落などに隣接する。 ■四国での分布 カサスゲ群落は四万十川、土器川で確認され、サンカクイ群落は四万十川と肱川に成立する(肱川の群落は今回の踏査で確認)。 ![]() ■保全上の留意点 水辺環境の多様化および水際から陸域へのエコトーンとしての役割を果たしており、できるだけ残しておきたい植生である。 ■保全・創出に関する事柄 各植物、植生の保全、創出事例はない。いずれの植物も地下茎で増殖する多年草であるので、根株を掘り取り移植することにより、増殖、創出は可能であると考えられる。 ■植物社会学上の位置づけ カサスゲの優占する群集として、カサスゲ群集が報告されている。カサスゲ群集およびサンカクイ群落の上級単位は、大型スゲ−ホソバノヨツバムグラ群団、大型スゲオーダー、ヨシクラスにまとめられる。 |
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