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クズ群落
低〜高水敷 在来




識別ポイント
低水敷から高水敷に、ツル植物のクズが優占することで識別できる。クズは他の植物の上に覆い被さるように一面に成育しているため、遠方からの識別も比較的容易である。高さは1m 前後である。

構成種
構成種は数〜20 種程度であるが、10 種前後の群落が多い。同じツル植物のカナムグラやセイタカアワダチソウ、ヨモギなどのヨモギクラスの種、ススキ、ツユクサなどの種が混生している。

成育立地の環境特性
乾燥した立地であり、肥沃な土壌条件下に多い。クズが密生しているため、遷移はあまり進行しないが、長期的にはノイバラ群落、アカメガシワ−ヌルデ群落などの低木林へと移行すると考えられる。

生態的機能
クズが密生するため、他の植物の成育が困難である。低水敷ではオギ群落の立地と競合する。クズを食草とするマルカメムシが発生する。

隣接する群落
水辺側ではツルヨシ群落、オギ群落などと隣接する。陸域側ではノイバラ群落や堤防法面のチガヤ−ヒメジョオン群落などと隣接する。

四国での分布
いずれの河川においても確認されている。また分布範囲も広い。


保全上の留意点
特にない。

植物社会学上の位置づけ
クズの優占する群落は群集レベルでの位置づけはされていない。上級単位は、センニンソウ−エビヅル群団、クズ−トコロオーダー、ノイバラクラスである。