山鳥坂ダムブログ

尾原ダム放流見学会に参加しました

平成28年3月10日

調査設計課の江田です。


3月5日(土)に島根県雲南市木次町にある 国土交通省中国地方整備局出雲河川事務所が管理する 尾原 ( おばら ) ダムの放流見学会に参加してきました。

この見学会は、年に1度の機械設備点検を目的としてクレストゲートを開放するタイミングにあわせて行っているそうです。


まずはこの尾原ダムについて簡単に説明します。

島根県の宍道湖に流れる一級河川 斐伊川 ( ひいかわ ) の本川にあり、 斐伊川と支川の 神戸川 ( かんどがわ ) の洪水被害を軽減するため(治水)と県都松江市の水道用水の供給のため(利水)に建設され2011年に完成した新しいダムです。

重力式コンクリートダムで鹿野川ダム・山鳥坂ダムと同じ形式のダムになっています。


なお、尾原ダムでは日本初のサイフォン式取水設備を設置しています。 これは鹿野川ダムの改造事業で設置工事を進めている選択取水設備と同じ設備です。

※画像出典:出雲河川事務所ウェブサイト尾原ダムのページ

尾原ダム湖の名称は「さくらおろち湖」です。

名称は公募したそうで、斐伊川を舞台とした出雲神話の一つである「八岐大蛇退治伝説」から、「オロチ」をダム湖名に入れた応募が地域内外から広くあり、「オロチ」がキーワードとなったそうです。

これを踏まえ、「オロチをダムで鎮める」という想いを込め湖名の一部としています。


また、「親しみ・優しさ」を表現するため斐伊川で親しまれている花である「さくら」を合わせ、「さくらおろち湖」と命名したそうです。


さらに、ダム湖の形は竜の形をしているとも言われています。

※画像出典:出雲河川事務所ウェブサイト尾原ダムのページ

ここからは当日の様子をお伝えします。

私は午前7時に大洲市内を出発し、しまなみ海道、昨年3月に全線開通したやまなみ街道を走り、島根県雲南市へ。

広島・島根県境付近の中国山地ではまだまだ雪が積もっていました。


途中休憩しながらで、尾原ダム付近に到着したのは11時30分頃。

昼前だったのでダム見学の前にさくらおろち湖のほとりにある道の駅おろちの里で昼食です。 地元で採れた食材を使ったランチバイキング(¥1,300)はどこか懐かしい、おばあちゃんの味でした。

ダム湖のそばに道の駅があると活気に溢れて羨ましいです。

地元の食材を使った田舎料理や出雲そばをおなかいっぱいいただきました。

道の駅から望む「さくらおろち湖」

道の駅を出発しダム堤体に向かいます。

ダム堤体は440メートルもあります。

当日は気温が16℃程ありとても気持ちの良い天気でした。

堤体横のスペースでは様々な屋台が出ていました。

ご当地グルメもたくさんありましたが、おなかいっぱいで食べられず…残念でした。

堰堤から上流を望みます。幅が広く、開放感が抜群です。

堰堤中央から下流を望みます。ダム直下に民家があるのも鹿野川ダムと同じです。

堤体中央部の見学会入口に到着。ここからエレベーターに乗ってダムの下に降ります。

新しいダムとあって、監査廊はピカピカでした。

下に降りると13:30のゲート開放を待ち望む多くの方がいらっしゃいました。

13:30に放流を告げるサイレンが鳴り響き、徐々にゲートが開いていきました。

皆さん放流の瞬間をカメラで写真におさめるとともに、ダム放流の迫力に感動されている様子でした。

ご覧のようにダムと虹とのコラボレーションを見ることも出来ました。

放流量が増えるにつれ水しぶきが上がってきたため皆さん退散。

とても満足した様子で、笑顔で帰られていました。

私自身、ダムのゲートが開く瞬間を下流側から間近で見るのは初めてのことであり、とても感動しました。

堰堤上に上がると、作業員の方々がクレストゲートの点検作業を行われていました。

本来は点検のための作業ですが、地域の方々にも楽しんでいただけるイベントにする工夫はとても勉強になりました。


尾原ダムの職員の方に伺うと、この日は午前中だけで300〜400人の見学者があったそうです。

鹿野川ダムでも随時見学会等、皆さまにお楽しみいただけるイベントを開催していきたいと考えています。


通常行っている見学会に加え、5月15日(日)に鹿野川湖で開催されるドラゴンボート大会ではダム見学・現場見学ツアーを開催する予定です。

2月のウォーキングイベントでは肱川流域を中心として全国から約1200名の方にお越しいただきました。

全国から注目を集める鹿野川ダムに春の行楽シーズンに是非お越し下さい。


鹿野川ダムが望める丸山公園で桜のお花見等計画されてはいかがでしょうか?

丸山公園から望む桜と鹿野川ダム(撮影:平成27年3月31日)

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