平成26年7月31日
平成25年度 第十堰の現状調査結果について
 国土交通省徳島河川国道事務所では、「『よりよい吉野川づくり』に向けて」(平成16年4月27日発表)の基本的な考え方に基づき、第十堰で継続的に調査を実施し、得られたデータについては、当事務所ホームページ等を通じて、一般に公表することとしております。
 この度、平成25年度に実施してきた以下の調査結果をとりまとめましたので、公表します。
 平成25年度は、これまでの調査結果から、第十堰の左岸(北岸)側の一部のコンクリート版において、堰内部の空洞化により、経年的に最大約30cmの沈下を確認していることから、コンクリート版の修繕工事を実施しました。その際、コンクリート版の撤去後に堰内部の空洞状況等ついても詳細に調査を実施しています。
■平成25年度の出水状況
   平成25年度は、主に以下の台風による洪水がありましたが、吉野川では比較的小規模な洪水でした。
 なお、以下に記す水位、流量は全て岩津地点のものです。

◇平成25年9月4日 台風17号
 ピーク水位:5.00m、ピーク流量:約6,000m3/s
 水防団待機水位(3.30m)を超過しましたが、はん濫注意水位(5.30m)には至りませんでした。

◇平成25年10月25日 台風27号
 ピーク水位:4.61m、ピーク流量:約5,500m3/s
 水防団待機水位(3.30m)を超過しましたが、はん濫注意水位(5.30m)には至りませんでした。
■平成25年度に実施した調査の結果
(1)
形状調査 《別紙−1
     第十堰の下堰の変状箇所に対し、経年変化を把握するための変状調査を実施しました。調査の結果、変状が確認された点はありませんでした。
(2)
空洞箇所の詳細調査 《別紙−2
     コンクリート版の撤去にあわせて、変状の要因を把握するため、空洞内部の状況・コンクリート基礎の構造等を調査しました。また、堰上流側の流入箇所や水位の変化に対して、堰の下流での水位、流速等の計測を実施し、堰下流の流況の変化にどのように影響しているのかを確認しました。
 
(3)
河床形状調査 《別紙−3
     堰下流右岸の河床形状を把握するため、音響測深器による深浅測量を実施しました。平成25年11月(今回)と平成24年11月(前回)を比較すると、堰直下流右岸において、大きな変化は見られなかったものの、洗掘が継続的に進行している状況、堆積箇所が移動している状況を確認しました。
(4)
堰下流右岸深掘状況調査 《別紙−4
     堰下流右岸で確認されている局所洗堀箇所において、洪水時の深掘れ進行状況を確認するため河床変動用水圧計を用いた調査を行いました。
 台風27号通過後に機器を回収した結果、場所によっては洪水中に約1.2m洗掘していることを確認しました。
 また、出水時の深掘による根固めブロックの移動量を把握するため、根固めブロックに測定ピン及び水位計を設置し調査を行いましたが、観測の結果、根固めブロックが移動していないことを確認しました。
■平成26年度に実施する調査
  平常時の調査として
    (1)形状調査及び変状調査、(2)空洞箇所の詳細調査
  出水時の調査として
    (1)河床形状調査、(2)堰下流右岸深掘状況調査、(3)左岸迂回流調査
  の実施を予定しております。