事業概要

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施工状況 NEW

平成30年7月豪雨災害等について

四国山地砂防管内図

四国山地砂防管内図

吉野川水系直轄砂防事業

全国でも有数の破砕帯地すべり地帯となっている吉野川水系では、過去にも幾度となく土砂災害が生じています。
祖谷川流域・南小川流域では特に荒廃が激しく、昭和40年9月の豪雨では、祖谷川流域の東祖谷山村大西地先における12万㎥に及ぶ山腹崩壊をはじめとして各所で崩壊が発生しました。これを受け、昭和46年度から吉野川水系直轄砂防事業が開始され、祖谷川流域・南小川流域において砂防施設の整備を開始しました。その後、トウジ山を始めとして崩壊、地すべり箇所が多い赤根川流域において、昭和53年度から砂防施設の整備を開始しました。
また、四国の水がめ「早明浦ダム」は昭和50年に完成しましたが、昭和50年の台風5号・6号、昭和51年の台風17号と、2年連続の豪雨により山腹崩壊が多数発生し、流域は著しく荒廃するとともに、濁水の長期化が社会問題となりました。これを受け、昭和54年度から早明浦ダム上流域、汗見川流域、地蔵寺川流域においても砂防施設の整備を開始しました
さらに、平成30年7月豪雨により流域の荒廃状況に変化が生じたことを踏まえ、令和5年度には吉野川水系の砂防基準点(池田ダム)上流における施設配置計画を見直しました。今後、荒廃の進んだ立川川流域等でも砂防施設の整備を行っていきます。

重信川水系直轄砂防事業

昭和18年7月の既往最大洪水、さらに昭和20年10月の再度の大洪水により流域各所に大崩壊が発生。多量の土砂が下流に押し出されたため、本川下流部は各所で堤防が決壊し、、未曾有の被害を受けました。このため、砂防施設の整備が急務となり、昭和23年度より直轄砂防事業を開始しました。

四国山地砂防事務所の地すべり対策事業

四国山地は、全国でも有数の破砕帯地すべり地域として知られています。
四国山地砂防事務所では、特に大規模な地すべり地域で社会的な影響も大きい善徳(ぜんとく)地区(徳島県三好市西祖谷山村)と怒田・八畝(ぬた・ようね)地区(高知県大豊町)において、昭和57年度より直轄地すべり対策事業を実施。
対策工により排水した地下水の有効利用をはじめ、新たな地域環境の創出、生活の質の向上、地域の活性化の促進などに成果をあげています。
平成26年8月豪雨に伴い発生した怒田地区の地すべりについて、活動が継続している不安定箇所に対策工を実施しています。

善徳(ぜんとく)地区

善徳地すべり地域は、徳島県三好市西祖谷山村を流れる祖谷川中流部の両岸に位置し、善徳、今久保の2地区にまたがる日本でも最大級の破裂帯地すべり地です。斜面は主として畑地や林地として利用されています。また、祖谷のかずら橋を中心とした観光地でもあるため、斜面に散在する民家に加え、旅館や民宿などがわずかな平坦地に軒を連ねています。
この地域の地すべりの動きは、極めて活発で、種々の対策がなされている現在でも、その移動量は大きく、豪雨時には特に大きな変動を示しています。


この地域の地すべり活動は、安政地震(1854年)に端を発したといわれ、それ以降もきわめて活発な動きを示しており、種々の対策がなされている現在でも、その活動量は大きく、年間10cm以上に達する区域もあります。

地すべり防止区域面積 220.9ha
地形 最大斜面長

平均斜面勾配
900m
2,000m
27°
地質 三波川帯、地下部で泥質片岩、砂質片岩の互層、上部は緑色片岩を
主体とした結晶片岩
地すべり防止区域指定 善徳 昭和34年3月31日指定 廃止
今久保 昭和35年3月4日指定 廃止
善徳 昭和57年3月27日指定(建告第857号)
直轄事業 昭和57年4月6日(建告第1,000号)
主な対策 排水ボーリング、集水井工、表面排水路工、アンカー工、排水トンネル等

アンカー工による地すべり対策


排水トンネル

怒田・八畝(ぬた・ようね)地区

怒田・八畝地区地すべり地域は、高知県長岡郡大豊町を流れる南小川の左支川南大王沿いの両岸、標高200~700mの斜面に位置し、怒田、八畝、立野の3地区に分けられます。地域一帯は保水性の良さから水田として利用され、多くの人家と耕地があり、広く生活の場として利用されています。
この地域の地すべりの動きは、かなり古くからあり、南大王の土塊の押し出しを繰り返してきました。これまで種々の対策がなされていますが、現在でも、その移動量は大きく、豪雨時には特に大きな変動を示しています。

地すべり防止区域面積 410.8ha
地形 最大斜面長

平均斜面勾配
1,000m
2,000m
20°
地質 玄武岩質、集塊岩質、凝灰岩質の御荷鉾緑色岩類主体、一部、三波川帯の結晶片岩
地すべり防止区域指定 立野・八畝 昭和35年3月7日指定 廃止
怒田 昭和37年10月9日指定 廃止
怒田・八畝 昭和57年3月27日指定(建告第859号)
直轄事業 昭和57年4月6日(建告第1,001号)
主な対策 排水ボーリング工、集水井工、表面排水路工等

間伐材を利用した集水井


表面排水路