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オランダガラシ群落
低水敷 外来




識別ポイント
流れの緩やかな流水辺にオランダガラシが優占することにより識別できる。群落高は0.5m 程度である。オランダガラシは別名クレソンともよばれ、日本在来の植物ではなく、食用に栽培されていたものから広がったといわれている。

構成種
構成種は3 種程度と少ない。カワヂシャなどが混生する。

成育立地の環境特性
緩やかな流れのある流水辺で砂質の立地に成立する。立地が改変されず、水が枯れない限り持続すると思われる。

生態的機能
群落は半ば流水に浸かっており、魚類、水生昆虫などの生息環境として機能していると考えられる。

隣接する群落
水辺に接する。陸域側ではコセンダングサ−アキノエノコログサ群落、ヨモギ群落などと隣接する。

四国での分布
河川水辺の国勢調査では植生図に図化されていないが、今回、重信川にわずかに分布するのを確認した。


保全上の留意点
外来植物群落であり、河川内で繁茂しすぎることは好ましくない。しかしながら、本群落の成立地は、比較的きれいな水辺環境を指標しており、先に述べた生態的機能を考慮すると、現状の環境を維持するとともに、将来的には在来の植生であるミゾソバ群落やクサヨシ−セリ群落などに移行させていくことが望ましいと考えられる。

植物社会学上の位置づけ
ヨーロッパでは、オランダガラシ群集が報告されており、ヨシクラスに位置づけられている(相模原市教育委員会,1988 )。
相模原市教育委員会.1988 .相模原市の植生.227pp .相模原市教育委員会社会教育部