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ニワウルシ群落
類似群落:
ニセアカシア群落、ナンキンハゼ群落、シナサワグルミ群落

低〜高水敷 植栽種逸出




識別ポイント
低水敷から高水敷に成立した植栽起源のニワウルシ、ニセアカシア、ナンキンハゼ、シナサワグルミなどの優占する高木林であることで識別できる。群落高は6 〜13m 程度である。

構成種
構成種は数〜30 種程度、平均は20 種程度で、樹林環境としては少ない。おもにヨモギ、セイタカアワダチソウ、ヒナタイノコズチなどヨモギクラスの種やノイバラなどが出現し、森林性の植物の出現頻度は低い。

成育立地の環境特性
冠水の少ないほとんど安定した立地である。長期的にはエノキ−ムクノキ群落などに遷移すると考えられる。

生態的機能
植栽起源の森林であり、自然性は高くない。また、階層構造も未発達で、林床植生も貧弱である。なお、ニワウルシ(別名シンジュ)は絹糸を採る目的で飼育されるシンジュサン(シンジュカイコ)の食草であり、植栽されたと言われている。また、ニセアカシアは砂防樹種としてよく用いられた。

四国での分布
ニワウルシ群落は土器川、重信川で、ニセアカシア群落は吉野川、土器川、那賀川で、シナサワグルミ群落は重信川で、ナンキンハゼ群落は物部川で確認されている。いずれの河川においても分布は局所的である。


保全上の留意点
特に留意する点はない。

植物社会学上の位置づけ
植栽起源の群落であるため、植物社会学的な位置づけは検討されていない。