<<トップページ <<四国の河川植生解説 <<フクド群落・ <<前の群落 >>次の群落

フクド群落
干潟 在来




識別ポイント・構成種
干潟や干潮区間でフクドが優占していることにより識別できる。フクドはキク科の多年草でヨモギに似るが、葉が細くやや肉厚なので(写真左下)すぐに見分けがつく。調査資料は肱川の1カ所だけであるが、構成種としてハマ
サジ、ハママツナなど5 種が確認されている。

成育立地の環境特性・生態的機能
肱川で1 カ所のみ確認されている場所は、干潟環境の礫質の土壌である。水面よりやや高い立地にあるため、干満の影響は大きくは受けず、全体が冠水するようなことはないようである。干潟、冠水域の環境の多様性を高めている。

隣接する群落
陸側にシオクグ群落などが続く。

四国での分布
肱川のみで確認されている。上に示した写真にみられるよう、フクドが成育できる河川敷の幅が非常に狭く、発達した群落とはなっていない。調査票によると肱川ではハマサジ、ハママツナ、シオクグなどが確認されている。肱川の低水敷の幅が広いところではハマサジ群落、ハママツナ群落、シオクグ群落などが発達している可能性がある。


保全上の留意点
四国内の一級河川では肱川のみで確認されており、極めて貴重な存在である。しかし、肱川の群落は発達が悪く、限られた幅の河川敷にのみ成立しており、その立地、環境全体の保全が必要である。

保全・創出に関する事柄
フクドを対象にした保全、創出の事例はない。類似環境への増殖には株の移植が考えられる。

植物社会学上の位置づけ
フクド群集、ナガミノオニシバ群団、ナガミノオニシバオーダー、ウラギククラス