しまんとがわ いきもの図鑑

モクズガニ

大きさ

甲幅5.5cm程度まで

すがた

ハサミには長く柔らかい毛が密に生えています。甲羅は丸みのある四角形で、目と目の間は板状に張り出し波状になっています。甲羅の横前には3つのトゲがあります。

すみか

河口から上流、渓流域まで広いエリアにすんでいます。

何を食べるか

雑食性で貝類、ミミズ、小魚、水生昆虫、両生類、藻類、デトリタス(泥の中にある生物の遺体や排せつ物などを起源とする微細な有機物)を食べます。漁師はカゴの中に魚の内臓を入れた仕掛けを川に沈めてモクズガニを捕ります。

この種の一生

子どもは海でただよいながら(泳ぎながら)生活していますが、少し大きくなると河口に戻ってきます。河口に着いた子どもは川底をはって上流にのぼって成長します。成長して大人になると川を下って交尾をし、メスは産んだ卵をお腹に抱いて過ごし、子どもがかえったら海に放します(放出)。10~翌4月までの寒い時期が繁殖期です。

味 四万十のおんちゃんの食レポ

高知県じゃ、「ツガニ」言うがで。そのままゆでて、丸ごと潰して、汁を布でこして作った「ツガニ汁」は絶品やけん、覚えちょったよ。でも、この頃は人が獲り過ぎて数が減ったと聞いて、おんちゃんは心配しよう。

おさかな先生の雑学講座

オスはふさふさの毛の生えた立派なハサミと大きな体を持つと思われがちですが、実は2型があり、小さなハサミと長い脚、小さい体を持つタイプのオスもいます。前者はメスを待ち構えて、後者は歩き回ってメスを探すことが知られています。