■タコノアシ群落
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![]() ■識別ポイント 水際の浅い水深部にタコノアシが群生することで識別できる。タコノアシは環境省が指定した絶滅のおそれのある植物(絶滅危惧類)である。花序がタコをひっくり返した時の足のようにみえることからユニークな名前が付いた。四国内の各河川で成育は確認されているが、群落としてまとまって群生している場所は物部川だけである。秋になると植物体が赤く染まるので遠くからでもよくわかる。 ■構成種 ツルヨシ、オオイヌタデ、ケイヌビエなど湿性を好む植物と共存している。構成種数は6 種である。 ■成育立地の環境特性 本群落は、物部川の河口部でただ1 カ所のみ確認されている。低水路内にある小さな水路状の場所で、砂と礫が混じる立地であり常に過湿な状態にある。 ■生態的機能 群落としてのまとまりが小さく、生態的な機能は不明であるが、水辺環境の植生の多様性を高めている。 ■隣接する群落 ヨシ群落やツルヨシ群落に隣接する。 ■四国での分布 タコノアシは仁淀川、肱川、四万十川などでも確認されているが、群生しているのは物部川の河口部だけである。 ![]() ■保全上の留意点 物部川の群落は現状の地形が残されれば、維持できるであろう。 ■保全・創出に関する事柄 地下茎を伸ばすので、株による増殖は可能と思われる。また、埋土(まいど)種子による再生の研究も進められている(木村他,2000)。 ■植物社会学上の位置づけ 本群落の所属は不明であるが、成育環境からヨシクラスに含められると考えられる。 木村保夫・寺崎史江・大野啓一・棚橋晃子.2000 .土壌シードバンクを活用したタコノアシの 保全に関する検討.「保全生態学研究」第5 巻第2 号 |
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