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ミゾソバ群落
類似群落:
クサネム群落

低水敷 在来




識別ポイント
流れの緩やかな流水辺や過湿状態の低水敷にミゾソバが優占することにより識別できる。群落高は0.5 〜0.8m 程度と低い。秋季にはピンク色の花をつけるため、識別が容易である。類似群落のクサネム群落は湿潤な低水敷に発達する。クサネムはマメ科の一年草であり、その葉は細かく分かれ、夏〜秋季に黄色い花をつける。

構成種
構成種は3 〜15 種程度、平均6 種程度と少ない。ヤナギタデ、セリ、クサヨシなど、隣接群落の構成種が混生する。

成育立地の環境特性
常に流水の影響を受ける不安定な砂質から泥質地に成立する。流水による攪乱で群落が維持される。

生態的機能
多くの蝶類の吸蜜源となる。流水辺では半ば流水に浸かっており、魚類、水生昆虫などの生息環境として機能していると考えられる。

隣接する群落
水辺に接するが、ヤナギタデ−オオイヌタデ群落などと隣接する場合もある。陸域側ではクサヨシ−セリ群落、アカメヤナギ−ジャヤナギ群落などと隣接する。

四国での分布
大部分の河川で確認されているが、分布は局所的である。


保全上の留意点
流水辺という攪乱の大きい立地に成立する一年生草本群落であるので、立地を大きく破壊しない限りは、早期に再生すると考えられる。種子を多産するので、その河川で自生する個体から種子を採取し、直播することにより群落の拡大を図ることは可能と思われるが、事例はない。造成後の水際へ早期に植生を復元する場合は、本群落が適しているであろう。

植物社会学上の位置づけ
ミゾソバ群集、アメリカセンダングサ−タウコギ群団、タウコギオーダー、タウコギクラス