■アラカシ群落
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![]() ■識別ポイント おもに山付区間に成立した、照葉樹(常緑広葉樹)のアラカシが優占する高木林であり、離れた場所からでも容易に識別できる。群落高は8 〜17m である。 ■構成種 構成種は約30 〜40 種である。おもにヤブツバキ、アオキ、テイカカズラ、ヤブランなどのヤブツバキクラスの種が出現する。 ■成育立地の環境特性 ほとんど冠水しない安定した山付き部などの立地である。立地が破壊されない限り、崖地など土壌の未発達な場所は土地的な極相として維持され、傾斜が緩く土壌が発達する場所では、気候的な極相としてスダジイの群落へ移行する。 ■生態的機能 山付区間に成立する自然性の高い森林であり、土壌保全機能も高いと考えられる。アラカシの堅果(ドングリ)は、ネズミ類やカケスなどの餌となる。 ■四国での分布 吉野川、肱川、仁淀川、四万十川、物部川で確認されている。山付区間の多い四万十川、肱川では分布範囲が広い。一方、おもに平野部を流れる吉野川では、上流部にわずかに分布するのみである。 ![]() ■保全上の留意点 自然性の高い森林であり、土壌保全機能も高いと考えられることから、治水上問題のない限り、立地を保全する必要がある。 ■植物社会学上の位置づけ 上級単位はヤブツバキクラスにまとめられる。 |
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