山鳥坂ダムブログ
建設現場最前線!「~山鳥坂ダムを支える人たち~」#17 本体建設(第1期)工事編
令和8年7月27日
みなさま、こんにちは。総務課の大野です。
「山鳥坂ダム本体建設(第1期)工事」の現場へインタビューに行ってきました。
インタビュー当日は梅雨の真っ只中。晴れ女を自負している私ですが、それ以上の雨男がいるようで…(笑)。あいにくの雨で重機が動いている写真をなかなか撮れませんでしたが、現在行われている作業について丁寧にご説明いただきました。また、現場で働く方々に仕事内容や仕事への思いをお聞きしました。
インタビューにご協力いただいた方々
|
|
<現場レポート>
1.ダム管理用道路
① クローラーダンプで盛り土を運搬
将来の管理用道路となる場所に盛土の工事を行っています。
通常、土の運搬には、ダンプトラックを使用しますが、この現場は勾配が急なため、クローラーダンプ(キャタピラ式の運搬車両)を使用しています。運転には「不整地運搬車」という専用の資格が必要で、公道は走れないそうです。「キャタピラ式なら急な斜面でも安定して走れるんですね?」と聞くと、「そうです、普通のダンプトラックでは難しい場所でも走行できます」と教えていただきました。
(クローラーダンプ) |
② 盛り土の締固め
運んできた土は、少しずつ層を重ねながら振動ローラーで丁寧に締め固めていきます。「なぜ少しずつ土を重ねるのですか?」と聞いたところ、「一度に土を厚く盛っても、下の方まで均一に締め固めることができないからです」とのこと。なるほど、表面だけ固めても十分な効果が得られないのですね。
(バックホウ) |
(振動ローラー) |
(元々谷だった場所に盛り土で造成しています。) |
また、土がしっかり締め固められているかを確認するための「現場密度試験(砂置換法)」という試験も実施しています。
「砂置換法」…聞き慣れない言葉ですが、簡単に言うと「土の密度を測る試験」です。
試験の手順(教えていただいた内容をまとめました)
1.盛り土面に穴を掘り、取り出した土の重さを計る
2.密度がわかっている砂を穴に入れ、その砂の量から穴の大きさ(体積)を計算する
3.土の重さと体積から、土の密度(締固め度)を計算する
しっかり締め固められた土は密度が高くなり、締め固めが不十分な状態では密度が低くなります。この試験で基準値以上の締固め度が確認できれば合格です。
「なぜこの確認が必要なのですか?」と聞いたところ、「締め固めが不十分なまま舗装してしまうと、後から地盤が沈んで道路がでこぼこになってしまうんです」とのこと。目に見えない地盤の品質を数字で確認する、大切な作業なんですね。
また、一つの層の厚さを管理するため、ポールを目印として設置しているそうです。ポールを用いて盛土の高さを測定し、一層ごとの厚さが設計どおりとなるよう管理しているんですね。
(ポールの写真:赤・白部分が20cmずつ交互に色分けされています) |
③ 雨天時の作業について
インタビュー当日は雨だったのですが、「今日は作業できないのですか?」と聞いたところ、盛土・締固め作業は雨天時には原則作業中止になるとのこと。
理由を聞いてみると、「地面が濡れるとローラーが滑って正常に走れなくなりますし、クローラーダンプも濡れた斜面では滑ってしまいます。雨が上がった後も、地盤の水が十分に引くまでは再開できません」とのことでした。工事の進捗や安全性は天候に大きく左右されるため、天候を見極めながら作業を進めることも、現場管理の重要な要素のひとつなんですね。
(雨のため撤収するバックホウと振動ローラーの写真:動いている重機で唯一撮れた写真です!) |
2.ダム本体関連
① 掘削作業
ダムサイト左岸側(上流から下流を見て左側)では現在、斜面の掘削作業を進めています。
「どこまで掘るのですか?」と聞いたところ、「硬い岩盤が出てくるまで掘り下げます。硬い岩盤を出してからコンクリートを打設する工程に進みます」とのこと。ダムの土台となる部分はしっかりとした岩盤の上に造る必要があるそうです。
(掘削中の斜面:木枠(丁張り)の勾配に合わせ、掘り下げていきます。) |
実はこの写真を撮影するために私が立っていた場所は、あと2か月ほどで掘削によって空中になるとのことで、スケールの大きさを実感しました。
② 木材の搬出
ダムサイト右岸側では、掘削の前段階として木材の搬出を行っていました。
伐採した木で斜面に残ったままのものを、ワイヤーを使って1本ずつ吊り上げ、下へ降ろしています。「ワイヤーが何本かありますが、それぞれ役割が違うのですか?」と聞いたところ、「荷重を支えるもの、横に移動させるもの、上下に動かすものと、用途ごとに使い分けています」と教えていただきました。
(写真では見えづらいですが、4本のワイヤーが両岸の間に張られています。) |
搬出した木材は、幹の部分は木材チップに加工して燃料として活用するそうです。根の部分なども燃料として使用するなど、無駄なく活用されているんですよ。
(搬出前の木材:根の部分) |
<インタビュー>
―― まず、業務内容および気を付けていることを教えてください。
古藤田さん: 私の業務は現場での施工管理です。重機による土砂の積み込みと運搬の管理、土砂の盛土の管理、そして雨水の排水管理などを行っています。特に安全管理には力を入れており、運搬中に重機が寄りすぎて横転するリスクが最も高いため、その対策を徹底しています。
田村さん: 私はオペレーターとして重機に乗り、山の掘削や土を締め固める作業などを担当しています。機械が転倒しないよう、常に足元の地盤を整えながら作業することを心がけています。
川本さん:所長として、作業員全員が安全に、かつ正しい手順で作業を行っているかを日々確認しています。工事の安全を最優先に、図面や施工基準通りに進んでいるかを常にチェックしています。
―― 仕事のやりがいや楽しさはどんなときに感じますか?
古藤田さん: 自分が思い描いた通りに、段取りがうまくはまって現場が進んだときです。逆にうまくいかなかったときは反省して次に活かすよう、常に考えながら仕事をしています。
田村さん: 古藤田さんの指示通りにしっかり動くことが自分の仕事だと思っています。褒められると特にやる気が出るタイプなので(笑)。あとは、自分が手がけた場所が形として残ったときはうれしいですね。たまに以前担当した現場を見に行くこともあります。
川本さん: ダムが完成して水を貯め、その機能を発揮しているのを見たとき、そして発注者の方や地元の方に喜んでいただけたときに、一番の達成感を感じます。
―― この仕事を志したきっかけを教えてください。
古藤田さん: 工業科の高校を卒業後、担任の先生の勧めもあり、同級生と一緒に今の会社に入りました。その同級生は今も同じ会社で働いています。
田村さん:もともと農協に勤めていて、そのときに機械の資格を取っていて、なりゆきでこの世界に入りました。
川本さん:父が建設業に携わっていたので、建設業は身近に感じていました。ただ、建築の細かい仕事よりも、土木のようにスケールの大きいものを作る仕事の方が自分に向いていると感じ、土木の道を選びました。
―― 現場で印象に残っているエピソードを教えてください。
古藤田さん:以前の現場で大型の管を埋設する工事をしていたとき、周囲の埋め戻しが間に合わないうちに大雨が降り、1本500〜600kgもある管が浮き上がってしまったことがあります。「管は浮くぞ」と先輩から言われていたのですが、実際に経験してみて本当に衝撃を受けました。
川本さん:最初に配属された現場で、熟練のオペレーターが「まだ何も始まっていない状態でも、どう山を切ってどう機械が登っていくか、すべてイメージできる」と言っていたことです。「嘘でしょ」と思っていたら、本当にその通りに作業を進めていったので、大変驚きました。自分もそういう経験と想像力を身につけたいと、今でも目標にしています。
―― 肱川周辺・南予地域の魅力について教えてください。
古藤田さん: こんなに海が近いところが初めてなので新鮮です。住みやすくていい街だと思います。山と海の両方が楽しめるのがいいところだと思います。
田村さん: 大洲の町はコンパクトで何でも揃っていて住みやすいですね。海も近いので、休日は釣りを楽しんでいます。
川本さん:海が近く、新鮮でおいしい魚が食べられるのが嬉しいです。また、ダム建設現場はいつも緑豊かな場所にあり、目に優しい環境だなあと思っています。
―― 最後に、地域の方へ一言お願いします。
皆さん:山鳥坂ダムが一日も早く完成するよう、安全に工事を進めてまいります。工事中はご不便・ご迷惑をおかけすることもありますが、引き続きご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
(川本さんに現場の説明をしていただいている様子) |
雨の中でも丁寧にご対応いただいた川本さん、田村さん、古藤田さん、本当にありがとうございました!
技術的なことに疎い私の素朴な質問にも、わかりやすく丁寧に答えてくださり、おかげさまで現場の様子を少しでもお伝えできたのではないかと思います。雨天で作業が中止となる中、貴重なお時間をいただいたことに改めて感謝申し上げます。
山鳥坂ダムの建設現場では、今回ご紹介した以外にもさまざまな工事が同時進行しています。これから夏本番を迎え、現場での作業はますます過酷になりますが、ダムの完成に向けて日々奮闘されている皆さんの姿を、引き続きこのブログでお伝えしていきたいと思います。現場の皆さん、暑さに負けずお体に気をつけてがんばってください!
※インタビュー協力企業データ
・株式会社安藤・間 東京都港区東新橋1丁目9番1号
https://www.ad-hzm.co.jp/
・丸磯建設株式会社 東京都品川区北品川3-6-7
https://www.maruiso.com/
