「乙瀬中田の地蔵」は、旧吉野川のほとり、南岸の道沿いに建っています。銘刻は「爲溺死亡霊菩提」。水没者の霊を慰めるために作られたことが記されています。
 地蔵が背にしている付近の川は、かつて川幅が20mほどしかなく、ひとたび大雨が降れば止めどなく水が溢れ出し、たくさんの水没者を出しました。水深も今よりずっと深く、普段から水難事故が絶えなかったところです。
 川幅が広げられ、浅くなった今では、釣り人がのんびり糸を垂れる静かな川となっています。
◎台座高 1・99m 
◎全 高 3・04m