吉野川懇談会 訪問記録

■訪問の内容を公開してもよいという7団体と1個人の訪問記録
*訪問した団体は全部で14団体+1個人
*1個人(団体個人として訪問に対応していただいた)
<テーブルができたとしても、レフリーの設定やオーソライズの方法をどうするのか?>

訪 問 日 時

訪 問 先

場 所

2000年9月12日
13:30〜14:30
板野郡農業協同組合(JA板野郡) JA板野郡本所

2000年9月12日
16:00〜17:30
第十堰建設促進期成同盟会 鳴門市役所

2000年9月13日
13:30〜14:30
徳島商工会議所(第十堰署名の会) 徳島商工会議所

2000年9月14日
10:00〜11:00
(団体名非公開希望) *個人的見解  

2000年9月16日
19:00〜20:00
第十堰の撤去、可動堰建設に反対する石井町民の会 健生石井病院

2000年9月20日
14:00〜15:00
吉野川土地改良区 吉野川土地改良区会議室

2000年9月22日
10:00〜11:00
(団体名非公開希望)  

2000年9月30日
19:30〜23:00
佐野塚・第十堰を考える会 佐野塚公会堂
 ■訪問期間 :2000年8月末〜9月末
 ■訪問団 :青山郁雄 伊勢廣 ○井上久子 井上好史 大谷國廣 岡内淑夫 岸本検次  
 倉良重良 河野寛 酒巻義雄 ◎豊田雅信 ○中野直行 中村英雄 森本茂行  
 山田隆造 ○山地武彦 米崎広行  以上17名(◎全体調整役 ○班長)
 ■訪問目的 :第十問題の解決に向けて、様々な市民団体の皆さんの考え方を尋ねた。 
懇談会としては何らかの形で検討の場(『共通のテーブル』)を設けることが必要と考えたが、実現するための障害になっていること、また、実現に向けた提案などを伺うことを目的とした。訪問は意見交換をする議論の場ではなく、市民団体の考え方をお聞きすることを主旨とし、様々な意見をいただき整理することから次の展開への糸口を見つけることを目指した。最後に、7月15日付けでそれまでの懇談会の検討内容を集約して発表した「中間提言」について意見をお聞きした。
 ■質問項目 :お話は概ね次の8項目について伺った。
 (1)団体の考え方やこれまでの活動について
 (2)共通のテーブルでの話し合いについて
 (3)話し合いの障害
 (4)テーブルの条件
 (5)スタートライン
 (6)テーブルの構成等
 (7)懇談会や中間提言に対する意見
 (8)その他
 ■訪問団の報告から

ここでは、主に第8回懇談会(2,000年10月7日)において訪問団から報告された内容を基に、訪問を通じて明らかになったことがらを下記の項目に整理した。なお、訪問した市民団体の意見は、「明日の吉野川と市民参加のあり方を考える懇談会:(略称)吉野川懇談会かわら版 9号」に集約して掲載されている。

  1. 「可動堰計画白紙撤回」の与党勧告をめぐる様々な解釈
     市民団体への訪問を開始する直前の8月28日に発表された与党勧告に対する各市民団体の解釈は様々であり、"13キロ地点の道路併用橋の位置を変更する"というものから"事業の必要性にさかのぼる"という解釈まで認識が大きく異なる。この違いが共通のテーブルにつくに当ってかなりなハードルとなっている。建設省がはっきりとしたスタートラインを発表することが必要ではないかと思われる。
  2. 懇談会の意義について疑問視する団体がある
     懇談会の努力に対して温かい応援をいただいた団体もある。しかし、いくつかの市民団体からは、懇談会自体を設立の経緯からして認めていないという見解が出された。したがって、懇談会の提案を認めるわけにはいかない、懇談会そのものを白紙にする必要がある、ということである。懇談会の提言を有効にするためにも最終提言をまとめた時点で懇談会は解散し、改めてスタートすることも考えたい。また、訪問に際して懇談会はどのような立場で検討を進めているのか、その性格や理念を明確にする必要性を感じた。
  3. 『共通のテーブル』は懇談会と混同されている?
     訪問の主旨は、各市民団体から『共通のテーブル』の構成や実現するための前提条件について提案していただくことにあるが、懇談会が母体となって『共通のテーブル』を立ち上げる、或いは懇談会自体が『共通のテーブル』であるかのように理解されているケースが目立った。
  4. とても勉強している市民団体
     訪問に応えていただいた、いわゆる推進団体は建設省の判断に基づいて賛意を表明している。一方、いわゆる疑問団体は各地のダムを見学したり、治水や環境、堰などについて深く勉強をしているという印象を得た。
  5. 市民の声を反映するしくみが必要
     市民の話し合いが行政の判断にきちんと反映されることが重要で、これまでは市民の意見が踏みにじられてきたという意見も出された。誰が決定するのかということも問題となる。また、市民の声なき声を十分に吸い上げる必要もある。

以上、概要を記した。懇談会にとっては厳しい指摘もいただいたが、直接お会いしたことで現在の状況がありありと把握できたことは大きな成果であった。なお、計画では約40団体を訪問する予定であったが、懇談会を認めていない、話すことはないという理由により、また、連絡がとれなかったために訪問が実現しなかった団体が多数あったことを記しておく。