国土交通省 高知河川国道事務所

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波介川について

波介川は仁淀川の河口から2.2km付近に合流する右支川で、流域面積73.3km2、幹川流路長19.0kmの一級河川で土佐市を流れています。洪水時には仁淀川本川の水位が波介川より高くなり、しかも波介川は上流に行くほど地盤が低い低奥型の地形であるため、土佐市中心部は過去幾多の水害を被ってきました。

過去の災害実績

昭和50年以降の波介川流域の浸水被害一覧

昭和50年8月洪水では、波介川流域において浸水面積1,590ha、浸水家屋は3,354戸等、平地部のほとんどが水没する甚大な浸水被害が発生し、近年においても平成17年9月洪水では、波介川流域において、浸水面積533ha、浸水家屋111戸の浸水被害が発生しました。

改修経緯

河川激甚災害対策特別緊急事業(昭和51年度着手~昭和55年3月完成)


波介川水門

沿川の平野は、本川の洪水位より地盤が低く本川の背水影響を受け、洪水などで浸水被害が頻発しています。これらの浸水被害を解消するため、逆流防止のための波介川水門を設置し、仁淀川本川からの逆流を防止しています。

昭和50年8月洪水では、壊滅的な被害を受けたため、河川激甚災害対策特別緊急事業を採択し、波介川水門を整備しました。

波介川河口導流事業(昭和60年度着手)
波介川床上浸水対策特別緊急事業(平成19年度着手~平成24年5月完成)


波介川河口導流事業

仁淀川からの逆流の影響を防止するため、波介川合流点を河口まで付け替えし、洪水を安全に流下させるための波介川河口導流事業を実施しました。

河川激甚災害対策特別緊急事業で整備した波介川水門では、本川からの逆流を防止するのみで、波介川水門の閉塞時は波介川からの排水ができないため、抜本的な対策となっていませんでした。このため、波介川合流点を河口まで下げ、仁淀川からの逆流の影響を除き、洪水を安全に流下させるため、昭和60年に波介川河口導流事業に着手し、平成16年、17年の2年連続の大規模な浸水被害を受けたことを契機に、平成19年度より波介川床上浸水対策特別緊急事業として実施し、平成24年5月に波介川河口導流路の運用を開始しました。


2つの堰と1つの樋門の連携操作で平常時・洪水時の水の流れを管理します

波介川河口導流路は、波介川潮止堰、波介川樋門、十文字堰を設置し、平常時と洪水時の水の流れを管理しています。

平常時は、これまでの合流点付近で、波介川からの水を仁淀川に流すため、波介川と導流路を十文字堰で仕切り、波介川樋門は全開しています。波介川潮止堰は全閉しており、河口から導流路内への塩水遡上を防止しています。

洪水時は、波介川の水はけをよくするため、波介川潮止堰を全開し、十文字堰を倒伏します。その後、波介川樋門を全閉して仁淀川と波介川を分断し、波介川の洪水を導流路から速やかに海域へ流すことで、土佐市街地を含む波介川流域の浸水被害を軽減しています。


床上浸水対策特別緊急事業とは

床上浸水対策特別緊急事業とは、被災後の復帰に多大な労力を要し、経済的・身体的に大きな負担となる床上浸水が頻発している地域において、特に対策を促進する必要がある河川を対象として、重点的、緊急的かつ総合的に治水対策を実施するものです。

波介川河口導流路の効果