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過去の主要な災害

1975年(昭和50年)

台風5号大接近
計画流入量をはるかに上回る大洪水が発生

吉野川ダム統合管理がスタートした直後の1975年(昭和50)8月17日、吉野川上流域は台風5号の暴風圏に入りました。
台風5号は早明浦ダムの計画高水流入量4,700㎥/sをはるかに上回る7,240㎥/sという未曾有の大洪水をもらたしました。
早明浦ダムでは異常な洪水流入量に対し、計画放流量2,000㎥/sを上回る2,517㎥/sの放流となりましたが、洪水調節量は、約4,700㎥/sでダム下流の被害軽減に大きな効果を果し、この試練を乗り越えました。

台風5号による洪水を放流する早明浦ダム 翌日の新聞記事
台風5号による洪水を放流する早明浦ダム 翌日の新聞記事
 
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1976年(昭和51年)

台風17号による大洪水が発生

1976年9月の台風17号は進行速度が遅かったために、1週間近く降雨が続き、早明浦ダム上流域の総雨量は1,782mmとなり、既往最大である801mm(昭和31年台風12号)をはるかに凌ぐものでした。
早明浦ダムへの流入量は洪水ピーク時が4,762m3/sで、台風5号よりはかなり少ないものでしたが、長時間の降雨だったため洪水全体の流量が大きく(流入総量は7億3千万m3、昭和50年の台風5号・6号では4億6千万m3)、放流量は台風5号の時を約1,000m3/s上回る3,500m3/sになりました。
台風17号による洪水被害は四国4県に及び、その災害復旧工事費の総額は前年度の6倍以上となり、四国地方建設局開設以来の最高額になりました。

台風17号による洪水を放流する早明浦ダムの新聞記事
台風17号による洪水を放流する
早明浦ダムの新聞記事

また、台風17号による大洪水は、早明浦ダム貯水池及びダム下流域の濁水長期化という難問を残しました。
台風17号による記録的な豪雨は、吉野川流域の山間部の各所に崩壊を発生させ、多量の土砂流出が発生しました。洪水の流出総量が非常に多かったため、早明浦ダムをはじめ各ダムとも貯水池の水の大部分が高濁度の流入水となり、濁水放流が長期化したため、濁水が解消されるまでに、約4ヶ月を要し、社会的にも大きな問題となりました。

早明浦ダムの濁水状況 早明浦ダム直下流の濁水状況
早明浦ダムの濁水状況 早明浦ダム直下流の濁水状況

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1994年(平成6年)

空梅雨と猛暑で始まった異変
早明浦ダム貯水率ゼロ、最大の危機が到来

1994年(平成6)、梅雨入りは平年並でしたが、梅雨明けは2週間も早く、降雨がほとんどない空梅雨で終わり、猛暑が始まりました。 この異常気象により、早明浦ダムへの流入量は急激に少なくなり、吉野川の河川流量も目に見えて減少し始めていきました。 その後も状況は悪化の一途をたどり、6月下旬〜7月下旬の1ヵ月雨量は29mmで平年のわずか8%と、過去40年間で最も少ない記録でした。最高気温も、徳島・高松・高知市で観測記録を更新するとともに、真夏日・熱帯夜日数などで記録ずくめの夏になりました。 渇水状況は早明浦ダムだけでなく、銅山川の柳瀬ダム・新宮ダムでも同様でした。大渇水の猛威はとどまることを知らず、新聞は「ひん死の水がめ」と報じました。

早明浦ダムでは湖底が露出し、7月24日、ついに利水容量の貯水率がゼロになりました。
そこで、残っていた発電専用用水について、水利用連絡協議会および関係機関で協議調整を重ね、徳島用水と香川用水に活用されることになりました。
幸運にも24日夜半より待望の雨があり、台風7号と14号が相次ぎ、早明浦ダムは息を吹き返しました。
もし、早明浦ダムが渇水調節を行っていなければ8日間も早く、7月16日時点で貯水率ゼロになっており、想像を絶する被害が広がっていたと考えられます。
また、この間には高知分水が自主的に取水を中止し、徳島・香川用水への協力があったことも忘れてはなりません。

渇水時の早明浦ダム
渇水時の早明浦ダム
早明浦ダムの節水運用
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  2004年(平成16年)

 上流5ダムが無かったとしたら、池田〜岩津間で、どのような氾濫が生じていたかをシミュレーションしてみると、吉野川上流ダム群の洪水調節で、三好大橋付近では、水位を約1m下げる効果がありました。また、上流ダム群の洪水調節で、池田〜岩津間で約300ha(阪神甲子園球場約75個分)の浸水被害を軽減する効果が確認されました。 ダム統合管理の洪水調節効果は、このような形で現れています   池田ダム流入量ベスト10(過去30年間)
 徳島県井川町三好大橋付近  浸水面積の軽減効果(池田~岩津)

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 2005年(平成17年)


    ダム効果を実証した平成17年の大渇水 
 
2005年(平成17)は4月、5月、6月の極端な小雨に端を発し、早明浦ダムの利水容量は減少し、2度にわたって底をつくという記録的な渇水に見舞われましたが、早明浦ダムにおいて過去2番目に大きい流入量を記録した台風14号により、洪水のほぼ全量を貯留することで、洪水被害の軽減はもとより、貯水率が100%にまで回復しました。しかし、9月6日の全面解除に至るまで、香川県内では各地で減圧給水や夜間断水が実施され、県民は厳しい節水生活を強いられました。   平成17年渇水の早明浦ダム
    平成17年渇水の早明浦ダム

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2008年(平成20年)


     17,300万m3の水瓶が空に、早明浦ダム建設後最大の渇水

2008年(平成20年)は7月、8月の降水量が平年の20〜30%程度と少なく、早明浦ダムの貯水率が7月下旬から急激に減少したため、8月31日に水確保容量が底をつき、発電用水の緊急放流を開始しました。
9月に入っても降雨量は平年の50%に満たず、早明浦ダム建設以降最も長い20日間もの間、利水容量0%が続くという異常事態となりました。
また、銅山川ダム群においても同様に降水量が少ない日が続き、8月29日の取水制限開始から12月27日の解除まで約4ヶ月間にのぼる取水制限が実施されました。
もし早明浦ダムが渇水調節を実施しなければ、早明浦ダムの利水容量は10日程度早く底をつき、約1ヶ月間利水容量0%が継続し、発電用水の放流を余儀なくされていたと想定されます。
   H20年9月1日_早明浦定点写真
     H20年9月1日_早明浦定点写真

    
早明浦ダムの節水運用
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