はじめに

2001.3.24 第14回 吉野川懇談会 


 私たち「明日の吉野川と市民参加のあり方を考える懇談会」(略称:「吉野川懇談会」)は、この1年間、14回の会議と12回の運営委員会、合計26回の会合を重ねてきました。
 昨年7月15日に「中間提言」をまとめ、その後、第十堰に関わる団体や行政機関を訪問し、また団体アンケートやはがきアンケートなどを行って、様々な意見をいただきました。
 私たち懇談会は、「中間提言」以降8回の会議を重ね、以下の「最終提言」をまとめました。この「最終提言」をもって懇談会の役割を終えたいと考えています。

■懇談会の目的

  • 第十堰問題を含む吉野川における市民参加と対話の方法に関する「吉野川方式」を検討し提案する
  • 対話の場の実現に向けて働きかけを行う

■「最終提言」の骨子

 「中間提言」では、問題解決の糸口として「共通のテーブル」を設け、そこで流域住民が参加する仕組みや多様な案を探り選択していくための方法を話し合うことを提案しました。しかし、現在、「可動堰を選択肢として残す/残さない」で対立的な意見があり、「共通のテーブル」は実現していません。このような状況をふまえて、「最終提言」では、以下の提案をしています。

■「最終提言」の骨子

1.第十堰の取り扱い(第2章)

  • これまで話し合われていない二つの課題を優先的に検討する
    ・「現堰の価値評価」と「可動堰以外の方策の検討」からまず始める
    ・吉野川の治水計画を市民参加で検討し、治水計画の見直しを行う。
  • 第十堰の取り扱いについては、上記の検討結果をふまえ、総合的に判断する。

2「総合治水・市民参加検討委員会(仮称)」の設置(第3章)

  • 市民意見を集約し、提案をまとめていく「検討の場」を設ける
  • 市民意見の最初の「検討の場」として「総合治水・市民参加検討委員会(仮称)」を設け、課題の整理を行うとともに問題解決に向けた提案を行う
  • 「検討委員会」が仲介役となって、団体代表や市民、行政が参加する実質的な「共通のテーブル」を実現する

3.市民参加と合意形成の仕組み(第4章)

  • 計画策定の各段階で市民参加を行い意思決定を段階的に積み上げていく仕組みを検討する
  • 市民の全体的な意思を確認する方法や市民と行政の合意の仕組みを検討する
  • 「吉野川情報センター(仮称)」、「吉野川流域協議会(仮称)」の提案など

 これまでは、建設省(現国土交通省)の計画の枠組みの中で、可動堰化計画に賛成か反対かという対立的な議論が行われてきました。今重要なことは、「可動堰化計画」というこれまでの枠組みを変えることだと思います。
 私たち懇談会は、これまで話し合われてこなかった課題をまず優先して検討し、新たな対話の土台を整える。その上で第十堰の取り扱いを検討することが必要だと考えています。