国土交通省徳島河川国道事務所では、「『よりよい吉野川づくり』に向けて」 ( 平成 16 年 4 月 27 日発表 ) の基本的な考え方に基づき、第十堰で継続的に調査を実施し、得られたデータについては、記者提供資料、当事務所ホームページ等を通じて、一般に公表することとしております。
　この度、平成 19 年度に実施してきた以下の調査結果をとりまとめましたので、徳島河川国道事務所のホームページの「よりよい吉野川づくり」に掲載します。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　記

■平成１９年度の出水状況
　平成１９年度に基準地点岩津で水防団待機水位（3.30m）を超過した洪水は、7月の台風４号による出水（ピーク水位：5.04m、ピーク流量：約9,100m3/s）だけでした。なお、はん濫注意水位（5.30m）を超過した洪水はありませんでした。※ピーク流量は暫定値

■平成１９年度に実施した基礎調査の結果
　�@変状調査（目視調査・空洞化調査）　《別紙−１》
　目視・測量による堰本体の損壊・沈下、根固めブロックの沈下・流出等の状況及びレーダ探査機を用いた堰本体の空洞の状況を確認しました。

　�A漏水量調査　《別紙−２》
　低水時の第十堰を通過する流量の実態把握のため、微流速計等を用いた流量観測を実施し、各調査日時における各観測地点の流量を把握しました。

　�B左岸迂回流調査　《別紙−３》
　第十堰周辺の出水中の流れの状況を把握するため、堰左岸高水敷に流速計を設置し、流向・流速を観測しました。

　�C洪水時表面流況調査　《別紙−４》
　堰付近の既存CCTVを活用して撮影した洪水流の動画を解析することにより、堰下流右岸部の表面の流向・流速の傾向を把握しました。

　�D出水時水位変動状況調査《別紙−５》
　 第十堰周辺の出水中の流れの状況を把握するため、圧力式水位計を用いて水位の変動状況を観測しました。

　�E堰下流右岸深掘状況調査《別紙−６》
　 第十堰下流右岸のおける局所洗掘（深掘）状況を把握するため、圧力式水位計を用いた計測器により出水中の河床変動状況を観測しました。

　�F河床形状調査　《別紙−７》
　第十堰周辺部の局所的な深掘れ等に着目し、出水時の河床洗掘状況を把握するため、ボーリング調査等を行い、既往出水の推定最深河床位を把握しました。

　�G堰周辺河床面形状調査　《別紙−８》
　第十堰周辺部の局所的な深掘れに着目し、音波測深器を用いた面的な測量を実施し、測量時点の河床形状を把握しました。

　�H環境調査　《別紙−９》
　第十堰周辺部の河川環境について現況を把握しました。

　�I歴史調査　《別紙−10》
　　 第十堰の歴史的経緯の解明の一つの手がかりとして、以下の調査を行いました。
　　　・古文書の解読
　　 　 旧家等で収集した古文書を解読した結果、第十堰関係は76点ありました。
　　　・石碑・歌碑等の現地調査
　　　　第十堰周辺地域等を詳細調査し解読した結果、第十堰に関する石碑を1箇所見つけました。

■平成２０年度に実施する新たな調査
　・堰下流右岸深掘状況調査　《別紙−11》
　堰下流右岸深掘箇所における河床変動状況調査について、観測範囲を拡大し、洪水中の河床変動状況を面的に把握します。

平成19年度調査結果（詳細）