しまんとがわ いきもの図鑑

シオマネキ

大きさ

甲幅3.5㎝程度まで

すがた

「シオマネキ」の仲間は、オスの一方のハサミが体に不釣り合いなほど大きくなります。オスはメスにプロポーズする時にこのハサミを大きく振り回しますが、その様子が「潮を招いている」ように見えることから「シオマネキ」と名づけられています。
甲羅は前が広く、後がすぼまっています(台形を逆さにしたような形)。色は暗い青色で、淡い色のあみ目の模様が入ることが多く、オスの大きなハサミは小さい時は紅色で、成長に従って色が薄くなり、大きくなるとオレンジ色になります。

すみか

河口のややかたい泥干潟に穴を掘ってすんでいます。大潮の日でないと水につからない場所を好みます。1日の活動が終わると巣穴の周りの泥を集めて、巣穴の口にふたをします。

何を食べるか

泥中の有機物(生物の死骸(しがい)や破片など)や小さな生き物を、口の毛でこし取って食べます。

この種の一生

子どもは海でただよいながら(泳ぎながら)生活していますが、少し大きくなると干潟に戻ってきます。その後、脱皮を繰り返して、1年後には甲幅1.9cmにまで成長します。メスは干潟に戻ってきて2年経ってから卵を産むことができるようになります。メスは卵がかえるまでおなかに抱いて過ごし、子どもがかえったら大潮の満潮時に海に一斉に放します(放出)。卵は5~8月に2回産みますが、2回以上産むものもいます。寿命は5年以上といわれています。

味 四万十のおんちゃんの食レポ

九州では、丸ごとすりつぶして、塩や唐辛子とかと混ぜ合わせて「ガン漬け」という塩辛を作る。殻(から)がガリガリするけんど、酒のつまみにはなるし、熱々のご飯にのせて食べたらすごいうまい。
けんど、今は日本ではシオマネキの数がすごく少なくなってきたけん、捕られんがで。やけん、材料には韓国産のシオマネキを使いようがよ。勉強になったろう。

おさかな先生の雑学講座

観察していると、ほんの小さな面積の干潟にも子どもがすみついていました。子どもは潮に乗って漂いながら運ばれるので、わずかな面積でも定着できる環境を整えてあげることが大切ですね。