「第3回四万十川流域のみらいを考える会」で出された主な意見
 
日 時:平成13年6月5日(火)13:30〜16:10
場 所:四万十川農協会館(窪川町)3F大ホール

氾濫が予想される地域はどの時間にどの位の水位になるか予測して周知できれば、防災体勢に役立つ。
会の進行について何を議論するのかわからない。項目立てて議論して欲しい。
規約の目的に「自由な意見交換を行う。」とあるが、その後はどのように反映するのか。
意見について事業にどのように反映するか回答はあるのか。
  (事務局)
  ・ここでの意見を参考とし、事業に反映できるよう努力したい。
午前中の現地見学会についても意見交換してはどうか。

四万十川上流(大野見村)についても魚が捕れなくなった。
原因としては、1)森林が手入れされていない、2)減反により水田が畑になったため表土が流出、3)その結果、石に泥が堆積し餌となる苔が付かず、魚(アユ)が育たなくなったと思われる。
私達の代で手だてをし、子孫の代には、もっとすばらしい川に残していきたい。
物部川水系永瀬ダム流域の1960年代〜90年代の流出高を比較した。同じ1977年降雨を与えた場合、70年代は90年代とくらべ低水流量は15〜21%高く、高水流量は逆に低くなる計算結果となった。
1500年〜2000年の山地荒廃面積の時代的推移から見ても1970年頃の森林整備状況が高水・低水時ともに適正と思われる。
佐藤先生の意見のflood plane manegementは「フラッド プレイン マネジメント」に資料訂正を。「氾濫源管理」の意味である。
四万十川橋の深掘れは根固めブロックが影響している。
人命が失われており、四万十川の玄関口でもあるので修繕の必要がある。
水道取水口が上流にあり塩害が心配である。
中筋川の危険雨量はどのくらいか。
  (事務局)・中筋川の計画雨量は2日雨量で550mm。
本日の現地見学より水量が減少していることがわかったがどう対応するか。
中筋川は四万十川と違って水質が悪い。なんとかすべき。
国道441号のルートと整備計画はどのようになっているか。
  (高知県)・国道441号に関しては次回に回答したい。
会議の資料を事前にFAXまたはメールを送ってはどうか。
四万十川条例に関して罰則措置はないのか。ないのであれば検討していただきたい。



「ダムは洪水調節効果はあるが害もあるため・・・」とあるが、人工のダムに洪水調節効果はない。
河川工事は水量が少ない時期に実施すべきであるが、県河川課は指導を徹底しているのか。
(高知県)・原則として渇水期に実施しているが長期間の工事はやむを得ない場合もある。(長期間の工事は、河床部は渇水期に地上部を洪水期となるようにしている。)
家地川ダムには洪水調節効果はないが、中筋川ダムは調節効果はある。
「後川の河床が上り・・・」とあるが数値的根拠はあるのか。
  (事務局)
  ・部分的に上がっている箇所がある。(確認する。)
中村堤防はS10に川砂利で作っており、補強ではなく抜本的な改築が必要。
中筋川だけでなく、後川についても背割堤などで分流しないと、中村市街地の安全は確保できないのではないか。

四万十川のブラックバスは徹底的に駆除するべきである。罰則や放流取締り等はしているのか。
  (県海洋局)
  ・ブラックバス・ブルーギルの放流には、罰則規定を設けている。
具体策を策定していく必要がある。東部漁協では15年前から年間30〜40万円の予算で、1匹200円で買い取っている。
議論だけでなく、県も何らかの行動を実施していくべきである。
ウナギが特に減っていると思われる。河口でのシラスウナギ採捕をやめるなどの保護が必要。
シラスバッチ網漁でアユ稚魚が捕られている。漁期・漁場を規制すべき。
広見川でもアユ、ウナギが減った。魚類の保護を進めて欲しい。
取水堰上流に堆積した土砂(バラス)の対策方法はないのか。
内水面漁業を守るため、海洋漁業の規制も必要。
他の地区ではアユジャコとして販売もされており、かなり捕られている。
人間による資源管理不足が原因で魚類が減少している。
  (県海洋局)
  ・内水面漁業と海面漁業それぞれで生計を立てているため、規制は難しいが、検討していきたい。
予算はかかるが河道堰等への改築は可能である。
「河川沿いの工事は自然環境に配慮すべきに」という点を重視する。
国道440号の改良工事は大きな山桜の伐採や、沈下橋と景観マッチしない工事が行われており、自然環境・景観への影響が大きい。
梼原川上流の淵には泥が貯まり浅くなっている。道路工事(林道)
森林の荒廃による土砂流出、砂防ダム等が原因と考えられる。
  (高知県)
   ・国道440号改良工事については担当に確認する。
梼原川河床に泥が貯まっているのはダムが原因である。
広見川の近自然工法は石積に間詰めコンクリートしているため、魚から見ると効果ない。
魚道は魚が上れないものばかり。改善すべき。
シラスバッチ網漁は海岸から150mは漁禁止区域となっている。
河川敷への車の乗り入れ禁止を追加して欲しい。


森林保全に関する項目について

林業が経済として成り立つようにしくみを整備するべきである。森林経済学の観点から考えていく必要がある。
森林にはダムの19倍の保水力があるといわれている。
議論だけでなく行動が必要である。
水源税の議論があるが、下流の中村市も協力するべきである。
広見川では広葉樹を植えて、森林の手入れを行うように森林組合に働きかけている。
襟裳岬で松林再生により昆布が採れるようになった。植林は非常に重要。
森づくりは、木を切ることが重要。
アユの漁獲量と木の伐採は比例関係がある。
近年は珪藻類がつきにくいため、アユが減っている。
大野見村はすべて植林している。市町村は間伐に対して助成を実施しているが、県はどのように考えているのか。
  (事務局)
  ・四万十川を先行モデルとしてゾーニングし、経営林、保全林等に分け助成している。
  ・県として、間伐を実施した個人に対して上乗せして助成するようにしている。
間伐を実施しても赤字になる現状があるのだから、具体的な打開策を提示して欲しい。森林事業としてではなく四万十川保全としての施策はないのか。
プラン21で検討したものが現場に反映されると思われる。


水量水質に関する項目について

100年単位で見ると森林が、10年単位で見ると土木工事が水質に大きな影響を与える。
田代かきの濁水を昔は放出してなかったが、現在は上流(広見川)が田代かき の濁水を放出している
広見川の田代かきの濁水は問題であることを認識し、改善するように努力する。
水質について、四万十川の各箇所で独自の指標を設ける必要がある。


河川利用、多自然型川つくりについて

ダムにおける堆砂対策を国はどうするのか。
  (事務局)
  ・全国的に対策の検討は行っている。
四万十川は観光について考慮が必要。
水・電気等生活に必要なものは重要である。原子力は問題があるのでクリーンエネルギーが大切。
四万十川は観光中心として欲しくない。(公園やベンチは不用である。)
多自然型川づくりについて現地にあった素材とすべきである。(四万十川に石灰岩はにあわない。巨石の裏込めコンクリートは問題。)
安全、環境、経済等を柱に決めて具体策を議論しては。
意見を取りまとめ今後に反映できるように具体策を検討していくべきである。

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