地震津波対策 地震について ─ 国土交通省 四国地方整備局 那賀川河川事務所
[ 日本で発生する地震のタイプ | 地震による被害 | 用語 ]
1. 日本で発生する地震のタイプ
地球の表面には、地震の発生源(震源)となっている「プレート」と呼ばれる硬い板状の岩盤があります。
日本周辺には、海のプレートと陸のプレートの2種類のプレートがそれぞれ2枚ずつあります。海のプレートは陸のプレートの方へ1年あたり数cmの速度で動いており、陸のプレートの下に沈み込んでいます。このため、日本周辺では、複数のプレートによって複雑な力がかかっており、世界でも有数の地震多発地帯となっています。
日本の地震には、発生のしくみや震源の場所によって三つの種類があります。
種類 | 特徴 | 実例 |
---|---|---|
①プレート境界の地震 | 日本周辺では、海のプレートが沈み込むときに陸のプレートを地下へ引きずり込んでいきます。陸のプレートが引きずりに耐えられなくなり、跳ね上げられることによって起こるのがプレート境界の地震です。 | 南海地震、東南海地震、「平成15年(2003年)十勝沖地震」、「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」 |
②沈み込むプレート内の地震 | プレートの内部に力が加わって発生する地震が、プレート内の地震です。このうち、沈み込むプレート内で発生する地震です。 | 昭和三陸地震、「平成5年(1993年)釧路沖地震」、「平成6年(1994年)北海道東方沖地震」 |
③陸域の浅い地震 | プレート内の地震のうち、陸のプレートの浅いところで発生する地震です。陸域の浅い地震は、プレート境界で発生する地震に比べると規模が小さい地震が多いですが、地表に近いところで発生するため、大きな被害を伴うことがあります。 | 「平成7年(1995年)兵庫県南部地震」、「平成16年(2004年)新潟県中越地震」、「平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震」、2011年3月12日の長野県・新潟県県境付近の地震があります。 |
気象庁ウェブサイトをもとに作成
2. 地震による被害
地震による揺れ(地震動)は、地盤を変形させ、その上にある建造物の倒壊や人的な被害を引き起こす他、津波や火災などさまざまな災害をもたらします。
建造物の倒壊
大きな地震によって、地震動に耐えられない建物が倒れたり、ビルやマンションの中間層が潰れたりします。また、道路や鉄道では橋などが壊れることで、自動車や列車への被害が発生します。
地盤の液状化
水分を含んだ砂質の地盤が、強い地震動によって液体のような性質を示すことを「液状化」といいます。液状化が起こると、地盤沈下によって、地下の構造物が損壊したり、建物が傾斜したりします。また、堤防が沈むことで高さや強度が十分に維持できず、地震後に発生する津波による被害が大きくなることも想定されます。
がけ崩れ
「がけ崩れ(急傾斜地崩壊)」は、地震や大雨により水分を含んでゆるんだ斜面が、崩れ落ちる現象をいいます。がけ崩れは突然起こるため、家屋の倒壊に加えて、逃げ遅れて死傷者が出るなど、大きな被害が生じることがあります。
津波
海底下で大きな地震が発生すると、海底の隆起や沈降が起こります。これに伴って海面が変動し、大きな波となって周囲に伝播するものが津波です。津波による被害は、巻き込まれによる死傷者の発生、建造物の倒壊、浸水などがあります。津波の高さは海岸付近の地形によって大きく変化し、最初の波が一番大きいとは限らず、後で来襲する津波のほうが高くなることもあります。
地震火災
地震後に発生する火災によっても大きな被害が生じます。地震時の火災は,同時多発による消防力の分散、消火栓や水道管の破損による水不足,建築物・構造物の倒壊や道路損壊による通行障害、大量の自動車通行による交通渋滞などの要因が複合して消火活動が大きく阻害され,延焼火災に発展しやすくなります。
3. 用語
1) マグニチュードと震度
マグニチュードは、地震のエネルギーの大きさを表します。マグニチュードが1増えればエネルギーは約30倍、2増えると約1000倍になります。
震度はある地点における揺れの強さの程度を表すもので、同じマグニチュードの地震でも震源からの距離の違いや地盤の違い等によって震度は異なります。震度と揺れ等の状況については気象庁でまとめられています。
参考 気象庁ウェブサイト
2) モーメントマグニチュード
地震の発生要因となる岩盤のずれの規模(ずれ動いた部分の面積×ずれた量×岩石の硬さ)をもとにして計算したマグニチュードを、モーメントマグニチュード(Mw)と言います。一般に使われているマグニチュード(M)に対して、大きな規模の地震を表すのに有効ですが、地震発生直後迅速に計算することや、規模の小さい地震で精度よく計算するのは困難です。