国土交通省 高知河川国道事務所

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日下川について

日下川は、仁淀川河口より14.2km付近で合流する右支川で、流域面積38.0km2、幹川流路長11.7kmの一級河川です。沿川の平野は、波介川、宇治川と同様に、本川から離れるほど低くなる地形となっており、洪水が流出しにくく、古くから頻発する浸水被害に悩まされてきました。

過去の災害実績

昭和50年以降の日下川流域の浸水被害一覧

昭和50年8月洪水では、日下川流域において浸水面積545ha、床上浸水659戸(うち軒下384戸)、床下浸水121戸等、平地部のほとんどが水没する甚大な浸水被害が発生し、近年においても平成26年8月の台風12号洪水では、日下川流域において、浸水面積274ha、床上浸水109戸、床下浸水50戸の浸水被害が発生しました。




平成26年8月台風12号洪水の状況

改修経緯

神母樋門の設置(昭和38年)

日下川からの排水及び仁淀川本川からの逆流防止のため、昭和38年に神母(いげ)樋門を設置し、昭和52年、昭和61年に改築を行いました。

河川激甚災害対策特別緊急事業(昭和51年度着手~昭和57年2月完成)

昭和50年8月洪水では、壊滅的な被害を受けたため、河川激甚災害対策特別緊急事業を採択し、日下川放水路(日下川の洪水の一部を仁淀川の八田堰下流まで導水)の建設に着手し、昭和57年2月に完成しました。


神母樋門

日下川からの排水及び仁淀川本川からの逆流防止のため、昭和38年に神母樋門を設置しました。

その後、昭和57年度より県道との合併工事として老朽化の著しい神母樋門の改修に着手、昭和60年度に本体が完成、昭和61年度に上下流の導水路、水管橋及び旧樋門の撤去工事を実施して昭和62年3月末には全面完成しました。


日下川放水路

昭和50年8月洪水被害を受け、河川激甚災害対策特別緊急事業を採択。浸水被害の軽減を図るため放水路トンネルを建設しました。

洪水時には、日下川からの洪水が放水路トンネルに流れ込み、放水中は樋門の回転灯が点灯します。

高知県の対策

昭和21年の南海地震では地盤が沈下したため、排水能力を向上させるために、高知県により派川日下川放水路(昭和36年完成)を整備しました。

また、従来より遊水池機能を果たしてきた湿地帯を利用し、河道への流量負担軽減を目的として、高知県により岡花調整池(平成10年完成)および馬越調整池(平成23年完成)を整備しました。

派川日下川(高知県)

南海地震による地盤沈下のため排水能力が低下。排水能力を向上させるため放水路トンネルを建設しました。

岡花調整池(高知県)

従来より遊水池機能を果たしてきた湿地帯を利用し、下流河道の負担軽減を図るため調整池を整備しました。

馬越調整池(高知県)

従来より遊水池機能を果たしてきた湿地帯を利用し、下流河道の負担軽減を図るため調整池を整備しました。

仁淀川床上浸水対策特別緊急事業(日下川)(平成27年度着手)

平成26年8月台風12号の災害を契機に、平成27年度に床上浸水対策特別緊急事業(新規放水路建設)に着手しています。

整備方針

ハード対策として、国は放水路の整備を行い、高知県は放水路から円滑に放流を行うための河川改修を行います。なお、日高村は、国・高知県の整備後も残る局所的に低い箇所の床上浸水対策を行います。さらに、整備後の内水安全度を低下させないよう、地域住民への啓発活動等適切なソフト対策を日高村と連携して実施します。

 


床上浸水対策特別緊急事業とは

床上浸水対策特別緊急事業とは、被災後の復帰に多大な労力を要し、経済的・身体的に大きな負担となる床上浸水が頻発している地域において、特に対策を促進する必要がある河川を対象として、重点的、緊急的かつ総合的に治水対策を実施するものです。

日下川の事業効果