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四国河川ニュース
《5/18(土)〜5/24(金)》601号
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【2013.5.27発行】
○四国・水こぼれ話談話室Vol.243
○篠川河川災害関連事業「地域関連事業による効果の向上及び環境との調和」 高知県播多土木事務所宿毛事務所長 大久保 勝富美
○さくらの里 だるま夕日が見える街 宿毛(すくも) 宿毛市長 沖本 年男
○今週のニュース
○「四国水問題研究会からの『最終提言書』手渡し式」の実施 (四国地方整備局)
○「第22回朝霧湖マラソン大会」の開催 (肱川水系肱川 野村ダム管理所)
四国・水こぼれ話談話室Vol.243
1.篠川河川災害関連事業「地域関連事業による効果の向上及び環境との調和」 高知県播多土木事務所宿毛事務所長 大久保 勝富美
○二級河川松田川水系篠川は、愛媛県に端を発し、高知県西南部の宿毛市を流れる延長22kmの河川である。篠川は本川松田川に合流後、低平地のため堤防で囲まれ、人口が集中する宿毛市街地を南から西へ取り囲むように蛇行して流れながら宿毛湾へ注いでいる。
○篠川は、築堤が完成している松田川合流点より上流760m区間を除き未改修で、河積が狭く、被災区間は最小250m3/sの断面程度しか確保できない状況であった。
○被災区間の両岸では、稲作を中心とする田畑及び近傍の道路脇に家屋が点在する農村集落の風景が広がっている。また、この区間内には宿毛市が管理する市道平井蕨尾線の高石大橋(昭和45年3月完成)が河川を横断しており、この橋も落橋被害が併せて発生した。
○被害が発生した平成23年10月21日〜22日の集中豪雨による降雨量は、篠川流域の山北雨量観測所において、時間最大73mm、21日の降り始めからの総雨量は17時間で321mmを記録し、篠川ではこの出水により堤防を越水し、周辺田畑は冠水する被害が発生するとともに、護岸は約350m区間にわたり側方浸食を受け、被災箇所全般でコンクリート護岸は洗掘を受け崩壊し、緩み等の脆弱化が発生した。
○また、高石大橋左岸では、堤防越水により橋台裏が洗掘され、橋台が倒壊、洗掘による橋脚の倒壊、落橋など甚大な被害が発生した。
○復旧にあたっては、再度災害を防止する観点から関連事業を計画したが、高石大橋は右岸橋台が被災を免れたため、部分被災となり関連事業の成立は厳しい状況であった。そこで、管理者及び工種の異なる個々の災害を一体的に整備する事で、より効果的・合理的な復旧事業が可能な地域関連事業に取り組んだ。
○この事で、篠川(高知県)は、一定計画(790m3/s、25年確率規模)により河積の拡大、河道法線の屈曲是正を実施する改良計画とした。また高石大橋(宿毛市)は、河川の改良復旧計画と整合を図るとともに、市道改良に合わせ橋梁幅員を5.0mに拡幅することが可能となった。
○現況河川は、両岸に草木が茂り、瀬や渕といった、豊かな川の表情を持ち、多くの魚類・鳥類が生息する良好な環境が整っている。また、起点付近にある瀬では、毎年、鮎の産卵が繰り返されている事が知られている場所であるため、コンクリートブロック張護岸を控えて設置する隠護岸工法を採用し、川の働きにより自然な河岸、水際が形成されるよう、左岸は多自然川づくりに取り組む事とした。
○現在、工事完成に向けて県市一体となって工程計画を調整し、円滑な事業進捗を図り、地域の安全、安心のため、早期の事業効果発現に取り組んでいる。そして、災害に強く自然豊かな河川の復元を目指していきたいと考えている。
2.さくらの里 だるま夕日が見える街 宿毛(すくも)
宿毛市長 沖本 年男
○宿毛市は、四国の西南端に位置し、全国どこよりも桜の開花が早く、高知県唯一の有人離島「沖の島と鵜来島」がある、温暖な気候と、海・山・川の豊かな自然に囲まれた、とても暮らしやすいところです。
○豊後水道に面した宿毛湾は、魚のゆりかご・天然の養殖場、といわれるほど魚種の豊富な海で、ここで取れる魚の味は絶品です。また、磯釣りに適した場所も多く、釣り人にはあこがれの場所でもあります。沖の島周辺の海は透明度も高く、珊瑚や熱帯魚が豊富に見られ、全国有数のダイビングスポットとなっています。
○また、宿毛湾では11月中旬から2月下旬にかけて、太陽が水平線にかかる時、光の屈折で数分間だけ円形から「だるま」のように変化する「だるま夕日」を、年に20回程度「片島港」「咸陽島公園」「すくもサニーサイドパーク」で見ることができます。
○中でも「幸運のだるま夕日」は気象条件が揃ったときしか見れず、「日本の夕日百選」にも選ばれています。
○歴史的に見れば、国の史跡に指定されている貝塚などの遺跡も多く、早くから開けた地域で、豊かな歴史と文化を築く中で、明治以降の日本に多大な影響を与えた多くの人材を輩出しています。
○竹内綱、明太郎両先生をはじめ、吉田茂元総理大臣など歴史的に有名な方々を輩出し、現在も芸能界で活躍する間寛平さんなど多くの有名人の出身地でもあります。
○防災面においては、南海地震に備えて日頃から地域で防災訓練を実施し、災害時における災害応急活動を迅速に行うため、自主防災組織の育成を積極的に行っており、併せて、地域とのコミュニケーションを深め、避難路や避難場所を確認する等、防災意識の高揚を図っています。
今週のニュース
1.「四国水問題研究会からの『最終提言書』手渡し式」の実施 (四国地方整備局)
○平成25年5月22日(水)に高松サンポート合同庁舎において、四国水問題研究会の井原会長(香川大学名誉教授)より四国地方整備局長へ「最終提言書」の提出が行われました。
○水問題研究会とは、四国4県が共有する吉野川水系及びその関連地域の水問題について総合的に把握し、水資源の有効利用と治水・利水・環境の合理的な恒久対策並びに必要な実施方策について、研究及び提言を行うことを目的として設立されたもので、平成18年6月〜平成25年3月までの約7年間、18回の研究会が開催されました。
○手渡し式において井原会長からは、「今後一層の深刻化が予想される『四国の水問題』の解決に向けて、四国に住むより多くの人々が、『四国はひとつ』という意識の共有化を図るとともに、それぞれの立場の違いを乗り越えて、互いに協力し合うことにより、自ら主体的に立ち上がるための積極的な行動を展開することが、特に強く望まれる。この『最終提言書』を拠り所として、迫り来る『四国の水問題』の解決に向けて、主体的に行動を起こすきっかけをつかみ、《水でつながる『四国はひとつ』》への堅実な一歩を踏み出されることを大いに期待している。」との挨拶を頂きました。
○今後は、「最終提言書」に記載されている提言を実行していくための組織を新たに立ち上げ、当面は最終提言書を周知するための活動や、提言されている「四国の水の日(仮称)」制定、シンポジウム等の開催など継続的な取り組みを行っていきます。
○「最終提言書」は、四国地方整備局HPに掲載しております。
http://www.skr.mlit.go.jp/kikaku/mizu/index.html
2.「第22回朝霧湖マラソン大会」の開催 (肱川水系肱川 野村ダム管理所)
○平成25年5月3日(金)、恒例の「朝霧湖マラソン大会」(主催:朝霧湖マラソン実行委員会)が開催され、愛媛県知事をはじめ、県内外から2,393人のランナーが参加されました。今年のコースは、10kmとハーフの2種目で、両コースともダムの天端を走るコースで、野村ダム湖上にある鯉のぼりの架渡し(300m)も見られるため、大勢の見学者がダムの両岸で応援されていました。
○野村町の三大地域活性化イベントの一つである本大会は、年々参加者が増え続けており、観光協会や実行委員会では嬉しい悲鳴を上げています。
○野村ダムでは、今年度より本大会を活用し、開会式会場(乙亥会館)に、昨年度末に整備局で作成された「来るべき巨大地震に備えて」のパネルを展示(9枚)するとともに、テントを一張りお借りし、出水時の流木処理として製造している流木粉砕物(袋詰堆肥)とダム見学会用の布製チラシをアンケート付で配布するなど、管理所の広報活動に取り組むこととしました。
○袋詰め堆肥、布製チラシのアンケートを集約した結果、両方とも概ね好評で、本大会以降、管理所に堆肥を取りに来られる方も多くなり、今回の広報効果は高かったと感じています。
○今後も引き続き、地域イベントでの広報活動に積極的に取り組み、地域の方と一体となったダム管理に努めていきたいと考えています。
「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。
■連絡先■ 四国地方整備局 河川部 河川管理課 洪水予測専門官 内山 俊浩
〒760-8554 高松市サンポート3番33号
TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3522(内山) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp
FAX 087-811-8417(河川計画課)
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