地震への備え
(1)地震への備えに対する基本的な考え
 地震などの被害を最小限に抑えるには、自助(じじょ)・共助(きょうじょ)・
公助(こうじょ)それぞれが役割を果たしていくことが大切です。「自助」、「共助」、「公助」とはどのようなことでしょう。
  1.「自助」とは、自分の身を自分の努力によって守ることです。
  2.「共助」とは、身近な人たちがお互いに助け合うことです。
  3.「公助」とは、国や県などの行政機関による救助・援助です。
 このうち、「公助」のみの災害対策には限界があり、平成7年の阪神・淡路大震災の教訓から「自助」「共助」が極めて重要になります。
 地震による犠牲者の多くは、地震発生直後の建物倒壊や家具の転倒によるものです。また、東南海・南海地震では、地震発生後に巨大な津波が短時間でおそってきます。このため、地震直後の災害から身を守るためには、自ら守る「自助」はもちろん、近隣の人々が助け合う「共助」が極めて重要です。一方、消防機関等が救出、救助、消火活動を行う「公助」は、地震直後にみなさん一人一人に対する初期の対応ができず、「公助」だけの対応ではほとんど無力です。
 このようなことから、みなさん自身が「自分の身は自分で守る」、「自分たちの地域は自分たちで守る」、「これに足りない部分を行政機関が補う」考えを持ち、地震に備えることが必要です。
 そこで、次のようなことを普段から心がけ、いざというときに適切な行動ができるように日頃からよく考えておきましょう。
 

地震への備え10か条
●日頃からの備え5か条
  第1条   あわてず行動できるように家族と日頃から話し合おう!
  第2条 地域の防災訓練やシンポジウムに積極的に参加しよう!
  第3条 家具等の転倒防止、家の耐震対策など安全を確保しよう!
  第4条 危険箇所や避難場所の確認など防災知識を身に付けよう!
  第5条 非常用品の備えを万全にしよう!
 
●地震が発生した場合の行動5か条
  第6条 落ち着いて身の安全を確保しよう!
  第7条 あわてず火の始末をしよう!
  第8条 すみやかに安全な場所へ避難しよう! 
(海岸近くにいるときは、とにかく高台や高い建物へ避難しよう!)
  第9条 近所と協力し助け合おう!
  第10条

正確な情報をつかむようにしよう!

 
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(2)日頃からの備え
○第1条 あわてず行動できるように家族と日頃から話し合おう!
 地震が発生したとき家族があわてず行動できるように、いざというときに備えて日頃から家族と話し合っておきましょう。
    1.家の中での安全な場所
    2.避難路、避難場所の確認
    3.避難するとき、誰が何を持ち出すかの役割分担
    4.家族がバラバラに離れたときの連絡方法
    5.災害時の必需品の備え
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○第2条 地域の防災訓練やシンポジウムに積極的に参加しよう!
 平成7年の阪神・淡路大震災では、地震発生直後は防災関係機関の活動(「公助」)が十分に機能しませんでしたが、隣近所の多くの人が協力し合う「共助」により、人命を救った事例などが報告されています。東南海・南海地震のような大きな地震が発生した場合、災害を防ぐには個人や家族の力(「自助」)だけでは限界があります。
 このため、地域のみなさんが助け合って災害を防ぐよう、日頃から地域で行われる防災訓練やシンポジウムに積極的に参加することが必要です。防災訓練やシンポジウムは、国や県などの行政機関がその都度実施しています。
 また、地域によっては、災害発生時はもちろん、日頃から地域のみなさんが一緒になって防災活動に取り組むための「自主防災組織」が作られています。
 「自主防災組織」は、地域内の安全点検や防災訓練の実施など災害に対する備えを行い、また、地震が発生した際には、初期消火活動、被災者の救出・救助といった活動を行うなど、非常に重要な役割を担っています。
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○第3条 家具等の転倒防止、家の耐震対策など安全を確保しておこう!
 地震が発生すると、家具等の転倒や家屋の倒壊により下敷きになって、ケガをしたり命が失われたりすることがあります。このため、家具等を金具で固定したり家を地震から強くすることが、みなさん自分自身、または家族の命を守るためにとても重要です。
   1.家具等の転倒防止
   2.ガラス等の飛散防止
   3.家屋の倒壊防止
 
わが家の耐震診断((財)日本建築防災協会)
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○第4条 危険箇所や避難場所の確認など防災知識を身に付けよう!
 地震発生後、的確な対応を行うためには、各自がどれだけ正しい防災知識をもっているかにかかってきます。身の守り方、火を出さない方法や消火の仕方、応急手当の心得などを学ぶとともに、地震・津波に関する基礎知識もきちんと学習しておきましょう。    → 地震が発生した場合の備え
   → 地震・津波に関する基礎知識


 また、地域の中で危険だと思われる場所や避難路、避難場所を知っておくと、すばやく避難できます。各自治体で津波浸水予測図や津波ハザードマップ、津波に対する避難場所を公開していますので、各自で確認しておきましょう。
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○第5条 非常用品の備えを万全にしておこう!
 地震による災害発生後は、道路の寸断などにより救助や支援活動が満足にできないため、緊急物資の輸送が困難になります。このため、救助や支援が受けられるまでの食料や飲料水は、各家庭でたくわえておきましょう。
 また、避難場所への移動や避難場所での生活に必要なもの、ケガの応急手当をするための救急薬品などの準備もしておきましょう。 (災害時の必需品
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(3)地震が発生した場合の行動
○第6条 落ち着いて身の安全を確保しよう!
1.家や建物の中にいる場合
 大きな揺れを感じたら、まず揺れによる落下物から頭を守るため、丈夫な机やテーブルなどに身をかくし、揺れがおさまるまで待ちましょう。
 東南海・南海地震では、揺れが30秒以上と長く続きますので、揺れが完全におさまるまで身をかくして待ちましょう。なお、海や川の近くに住んでいる人は、津波がおそってくる可能性がありますので、揺れがおさまったらすぐに高台や3階以上の鉄筋コンクリート造りの建物に避難しましょう。
  → 地震の揺れはどれくらい続くの?
 
2.外出している場合
 建物の近くにいると、看板や壁、さらには窓ガラスが落ちてくる可能性がありますので、カバンなどで頭を守り、安全な場所へ逃げましょう。
 もし、海や川の近くにいる場合には、津波がおそってくる可能性がありますので、とにかくすぐに高台や3階以上の鉄筋コンクリート造りの建物に向かって逃げましょう。
 
3.車に乗っている場合
 揺れを感じたら、あわてずに道路の左側に停車してエンジンを止め、キーをつけたまま歩いて安全な場所へ逃げましょう。道路は建物の倒壊などで通行できなくなると予想されますので、くれぐれも車に乗って避難するのはやめましょう。
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○第7条 あわてず火の始末をしよう!
 地震により火災が発生すると被害がさらに拡大します。揺れを感じたら台所やストーブなどの火をすばやく消しましょう。
  ただし、大きな揺れが来てから無理に消そうとすると、落下物が頭に当たるなど自分の身が危険になります。あまり無理をせず机の下などに身をかくし、揺れがおさまってから火を消しましょう。もし、出火した場合には、消火器具で燃え広がる前に消しましょう。
 また、地震の後はガス漏れが起きている可能性がありますので、火はつけないようにしましょう。
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○第8条 すみやかに安全な場所へ避難しよう!
       (海岸近くにいるときは、とにかく高台や高い建物へ避難しよう!)
 地震が発生すると、家屋の倒壊や火災の発生による延焼などの危険がせまってきたり、山ぎわや急傾斜地では山崩れ、がけ崩れが起こる可能性があります。揺れがおさまったらすぐに各市町村が指定している避難場所へ避難しましょう。
 また、海や川の近くにいる人は、津波が地震発生後10分以内におそってくるところもありますので、すぐに高台や3階以上の鉄筋コンクリート造りの建物に避難しましょう。避難指示や避難勧告の発令を待つのではなく、自らが判断して避難することに心がけましょう。


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第9条 近所と協力し助け合おう!
 災害が発生したときは、隣近所の人たちとの助け合いが必要となります。とくに、一人暮らしの老人や身体の不自由な人など災害弱者に声をかけ、みんなで助け合いましょう。
 また、軽いケガなどの処置はみんながお互いに協力し合って応急救護を、建物の倒壊や落下物などの下敷きになった人がいたら、地域のみんなが協力しあって救出活動を行いましょう。
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○第10条 正確な情報をつかむようにしよう!
 大きな地震が発生したあとは、いろんな情報が流れます。うわさやデマ情報が多く流れる恐れがありますので、携帯ラジオや防災無線などの情報を基にして、最新の正確な情報を自らが入手するようにしましょう。
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