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第4回 吉野川シナダレスズメガヤ対策検討委員会  検討結果
 平成17年10月17日、徳島市内のホテルにおいて第4回吉野川シナダレスズメガヤ対策検討委員会を開催しました。
 今回の委員会では、今年度の調査状況について中間報告を行い、今後の検討の流れ及びシナダレスズメガヤ対策の基本方針について検討をしていただきました。

○今年度調査の中間報告について
 今年度は、健全なレキ河原の再生に向けた現地実験として西条大橋下流の試験区にてヤナギ群落の一部を伐採し、洪水による攪乱の増大にともなう物理環境(地形及び河床材料)の変化について調査しています。7月中旬にヤナギを伐採したのち、9月に上陸した台風14号の出水によって試験区は冠水しました。その結果、伐採区では全体的に河床が低下し、低水路河岸部では一部の区間で鉛直化の緩和が確認されています。引き続きモニタリング調査を行い、ヤナギ伐採の効果を確認していく予定です。

○シナダレスズメガヤ侵入状況の研究成果発表について
 委員である徳島大学工学部 鎌田助教授から、西条大橋上流地区におけるシナダレスズメガヤ侵入状況についての研究成果を発表していただきました。

○今後の検討の流れについて
 地形や植生データからシナダレスズメガヤが侵入しやすい場所を示したマップと、過去の洪水データからシナダレスズメガヤを消失させる掃流力を示したマップを重ね合わせ、シナダレスズメガヤが繁茂する可能性の高い場所を抽出し、さらに環境及び治水への影響を考慮しながらシナダレスズメガヤ対策手法を検討し対策の実施方針を作成していくことについて議論していただきました。

○吉野川のシナダレスズメガヤ対策における基本方針について
 今回の委員会では、これまでの試験施工によるモニタリング調査による確認事項をふまえたうえで、シナダレスズメガヤ対策における基本方針の中間報告をいただきました(以下、方針(案)の抜粋)。
 「シナダレスズメガヤが定着・侵入しにくい環境の維持・形成と成長したシナダレスズメガヤの除去対策として、洪水による土砂移動、地形変化等の川が本来持っている洪水営力を考慮しながら、河道内樹木の伐採を実施する。また、治水上の観点から河積確保等の必要な箇所については河原の切り下げについて検討を行い、これらにより河川本来の自然環境であるレキ河原の保全・再生に努める。」
 
 なお、次回の委員会は平成18年2月を予定しており、具体的な対策である実施方針を立案する予定です。  

第4回検討委員会

徳島大学工学部教授 岡部委員長

委員の皆様には活発な議論をいただきました。

鎌田委員からの研究成果発表