タイトル
大正元年の大水
紹介日
洪水体験集より
投稿者
平岡タケノさん
(大正元年の大水)
私は明治39年生まれで、7歳の時に大正元年の洪水を経験した。
私の家は堀江南小学校のすぐ近くにあった。「早く寄って来い。土手が切れるぞ」という声が聞こえた。それから、小学校のすぐ隣の土手が切れた。友達の大西タネノさんの家の蔵の2階に避難して、一緒に外を見ていると、川の中を藁屋の家が流れていくのが見えた。その家の上には男の人がしがみついていた。「どこまで行くんだろう、おそろしい」と思った。牛も馬も流れていった。昼間だった。水はゴッーと音を立てて流れていた。7歳だったが、その情景は今でも忘れることができない。
蔵に避難していたのは1日くらいだった。その後、友達と浸かった家を見に行こうと思ったが、母親にかわいそうだから見に行ってはいけないと言われたのを覚えている。
堀江南小学校も壊れて、小学校はしばらく休みになった。
堀江南小学校の被害の様子を伝える徳島毎日新聞(大正元年9月26日)
倒壊せる堀江校
板野郡堀江南尋高校は講堂一棟、新築教室2棟倒壊、残存2棟、堀江村は山地一部を除く悉く浸水