吉野川歴史情報館
 
思 タイトル 昭和9年頃の洪水
紹介日 洪水体験集より
投稿者 秦照雄さん

(昭和9年頃の洪水)

 私は昭和4年に徳島市応神町に生まれ、昭和36年に北島町に移った。
 昭和9年か10年頃だったと思うが、大きな洪水が来た。堤防には上がるなと親から言われていたが、堤防に上がってみた。すると、堤防が揺れていた。横に揺れた。四つん這いになった。水は堤防から手を伸ばしたら届く程の所にまで来ていた。高徳線の鉄橋の橋桁あたりまで水が来ていたと思う。堤外の畑にはカニ穴、小倉穴ができて、水が吹き出していた。
 父親は馬小屋の梁にロープをかけていた。水害の時に馬が水を飲まないように、首を吊るためのものだった。

昭和9年9月洪水を伝える徳島毎日新聞(昭和9年9月10日)

季節の虐君 県下を猛襲した台風
各河川濁流逆巻く(右)

吉野川筋の各仮橋は8日夜来全部撤去されたるが、名田橋は今朝までに流失した。(左)