吉野川歴史情報館
 
思 タイトル 昭和29年の洪水
紹介日 洪水体験集より
投稿者 多田安行さん

(昭和29年の洪水)

 昭和29年の吉野川の水位はすごかった。堤防の際まで水が来ていた。本川の水圧はすごかっただろうが、宮川内谷川が切れてその水圧があったために、本川の水圧が守られたのではないかと思っている。当時、高校1年生だった。宮川内谷川が切れたので、六條堤の上流では、平屋は水没し、2階建ての家では2階に避難していた。かんどり舟でおにぎりの配給などをしていた。
 洪水がくると、牛を柿の木にくくりつけ、その木には鎌を刺していた。いざという時にロープを切り、牛を逃がしてやるためだった。昭和29年の洪水時にも3頭いた牛をいざという時には逃がしてやろうと思っていたが、幸い堤防が切れなかったので助かった。