タイトル
昭和36年の第二室戸台風
紹介日
洪水体験集より
投稿者
武市保子さん
(昭和36年の第二室戸台風)
昭和36年だったと思うが、吉野川の土手が切れるくらいに危ないことがあった。萱葺きの屋根は、萱をとめてある藁を切れば、外に出られるようになっていた。私たちは草やの家にはしごをかけて、子どもを連れて屋根に上がった。子供たちは、6歳と3歳の男の子、それにその年生まれたばかりの女の子だった。主人は、息子たちにはタイヤのチューブを渡し、土手が切れた時にはそのチューブにつかまって逃げるように言い聞かせた。しかし、0歳の娘のことは諦めるように言った。辛く、悲しかった。幸い吉野川の堤防が切れることはなかった。
昭和36年洪水(第二室戸台風)の記録
吉野川流域では、9月14日朝より雨が降り始め、15、16日にかけて風雨が一段と高まり、3昼夜にわたって大雨をもたらした。総雨量は本川上流長沢で666mm、中流穴吹で545mm、鴨島で394mm、下流徳島で237mmを記録した。
(吉野川百年史より)