徳島河川国道事務所

吉野川上流かわまちづくり推進協議会

関係者インタビュー

徳島大学 人と地域共創センター 教授 田中 俊夫

川と健康づくり

 河川敷や土手は身近で安全な健康づくりの場として親しまれています。河川敷に整備されたスポーツ施設では週末ともなると様々なスポーツやイベントが実施されています。
 中でも最も手軽に行えるものは土手や河川敷でのウォーキングやランニングでしょう。県外に出たときには時折、子供から大人まで河川敷で様々なスポーツを楽しむ様子を見ながら土手を走ったり、歩いたりしています。香川なら香東川、岡山は百間川など。大阪の淀川、東京の荒川も賑やかです。
 また河川敷や土手を利用したマラソン大会も全国で多数あり、長い歴史を持つものも多いです。何よりも交通規制が少なくてすむこと。そして平坦で走りやすいメリットもあります。但し、コース幅は狭いので中小規模のローカル大会がほとんどです。このような大会ではコースの外は通常の日曜日が展開されているわけで、子供のサッカーを応援している人々はランナーに背を向けて拍手を送っていますし、バーベキューの香りが空腹のランナー集団を襲うといったことも度々あります。

とくしまマラソン2026、最後の吉野川満喫コース

 2008年に始まったとくしまマラソンは「河川マラソンの横綱」と言っていいでしょう。県庁前スタートで田宮ワークスタッフ陸上競技場がゴールですが、42.195kmの約35kmが吉野川沿いを走ります。新吉野川大橋を渡って北岸を西条大橋まで西進。西条大橋を渡って南岸を四国三郎橋まで。途中、吉野川橋、名田橋、六條大橋も通過するのでまさに「川と橋の満喫コース」となっています。
 横綱と言ったのは距離や橋ばかりではありません。そこは県都マラソン、1万人近いランナーが道路を埋め、車両完全通行止にして実施されます。歩行者天国ならぬランナーズパラダイス、土手にもたくさんの応援者や阿波踊り、歌や踊りの応援隊がランナーを鼓舞してくれます。「土手にこれだけ応援が来てくれて感激」とは開催当初によくあったコメントです。
 私がこのマラソンで好きなのは北岸での走行中に見られる右に阿讃山脈、川を挟んで左に剣山地(四国山地)の見える光景。特に第十堰のあたりでは菜の花咲く河川敷の向こうに気延山から鴨島に連なる山々が見え、その向こうに大川原高原、焼山寺、高越山などの1000m級の山、さらにその先に雲早山、高城山など1500m級の山々が連なる剣山地を望むことができます。吉野川の向こうに三重の山容が広がるこの絵画的風景が一番のお気に入りです。
 そんなとくしまマラソンも2027年から鳴門をゴールとする新コースに変更となります。2026年3月22日は16回目となる最後の吉野川満喫コース。その最後の光景を目に焼き付けながら16回目のペースセッターとしてランナーのゴールをサポートしたいと思います。