徳島河川国道事務所

吉野川上流かわまちづくり推進協議会

関係者インタビュー

美馬市水辺の楽校運営協議会 千葉 昭彦 会長

地元の安楽寺で住職を務める千葉会長

地域への思い

 私のまちづくりの原点は、地域の歴史と自然に根ざした活動です。最初は町のまちづくり委員会から始まり、会長として地域の皆さんの声を集めながら、町をどう活性化していくかを話し合ってきました。
 吉野川沿いに広がる竹林は、明治時代に藍畑から養蚕へと産業が転換された際、桑畑を洪水から守るために植えられたものです。堤防としての役割だけでなく、生活用材としても活用できるよう真竹が植えられ、美馬では和傘に、徳島市ではものさしに加工されるなど、地域の産業を支えてきました。しかし、時代の流れとともに竹を使った産業は衰退。そこで委員会では竹林の再活用を目指しました。現在では年末に竹灯籠で町を照らすイベントが恒例となっています。
 この取り組みをきっかけに、吉野川での活動を本格化させました。中鳥川周辺の環境改善にも取り組み、水辺の楽校の申請を行いました。河川敷にはグラウンドが整備され、パークゴルフ、サッカー、ソフトボールなどが楽しめるようになり、現在ではパークゴルフの全国大会も開催されています。
 堤内には、子どもたちが自然に触れて遊べる施設や「桜つつみ公園」も整備。地元の小学生が卒業時に桜を植樹する取り組みを通じて、故郷を離れつらいことがあった時、「自分が植えた桜が故郷で咲いている」と思えるような、心の拠り所をつくっています。 吉野川の竹林風景は大変すばらしいですが、「こんなところに誰が来るのか」と思う人も少なくありません。しかし、にし阿波花火の開催時には、信じられないほど多くの人が訪れ、「人を呼ぼうと思えば呼べる」ことが証明されました。
 「観光」という言葉には「光」があります。地元の人がその「光」のもとを自覚し、手間暇をかけて光らせることが大切です。そして、その光のもとに「役立ってくれてありがとう」と言える地域を、これからもつくっていきたいと思っています。

協議会に期待すること

 吉野川のすぐ近くにある「水辺の楽校」。この場所を、もっと多くの子どもたちが集まる場所にしたい、そんな思いで、地域づくりの活動を続けています。
 現在、整備されたグラウンドを活用し、徳島県内外から人を集めて合宿ができるような環境づくりを目指していますが、合宿や大会で集まった人たちが食事をする場所が不足しているという課題もあります。地域の受け入れ体制を整えることが、今後の大きなテーマです。
 最近では、「にし阿波花火」という新しいコンテンツが誕生し、地域の機運も高まっています。新しい取り組みと、地元の人々の暮らしや思いを大切にしながら、伝統と融合させて次世代へつなげていきたい、子どもたちには吉野川で多くの思い出をつくってほしい。そんな願いを協議会と共有し、地域づくりを進めていきたいと考えています。

取材日:令和7年10月23日