2001年2月24日 第12回吉野川懇談会資料

■グループ討議のまとめ

1.議論の順番や方法について
 

内 容
(吉野川に置きかえれば)
可動堰以外から考える
<可動堰以外の案から考えるのなら受け入れられる>
  • 千歳川放水路の提案について、千歳川放水路案以外の対策を話し合ったというアイデアがいいのではないかということで、このグループでは全員一致した。吉野川に関していうと、これまで可動堰以外の案というのを検討していないので、それをやったらいい。可動堰以外の案から考えるのなら受け入れられると思う。堤防をつくるとか、そういうことなどについても、ちゃんと検討してみるといいのではないか。 (1グループ)
  • 推進の政府とか省の方々から、最初の案ではだめだ、これは一応おきますというはっきりした姿が見えたということで、絶対反対的な人もそのテーブルにのってきたということが共通していると。これが一つのポイントになるのでは。(2グループ)
  • 千歳川のボトムアップ方式、総合治水でやるのが非常にいいのではないかということ、これを吉野川に置きかえると、可動堰以外からというような話し合いの仕方も考えられるのではという意見があった。(5グループ)
総合治水を考える
<何もないところから総合治水を考える>
  • 進め方の中では、堰というのが白紙になって、今は何もないというところから、治水、利水といった総合治水的な考え方からもう一度考えてみましょうというのが賛同を得られたのではないかという感じだ。(3グループ)
  • 第十堰にこだわらずに、総合治水対策を重視するようなことを検討することがいいのではないかということがあった。(4グループ)
一気型ではなく積み上げ型で考える
<大きな構造物をつくるんだというイメージを一たん外す>
  • 可動堰など、そういう大きな構造物をつくるんだというイメージを一たん外さないと、総合治水とかそういう考え方はイメージできないかもしれない、それから、みんな本当はどういうことをやったらいいのかということがよくわかっていないんだ、どういうことが必要なのかということも、今までよく理解していなかったんじゃないか。 (1グループ)
<足が地についた具体的な案からやっていく>
  • 北海道の事例だが、全く川を変えてしまうというような根本的な解決策ではないが、それ一つ一つでは洪水対策には 100%ならないが、2つ、3つというふうなことをしたら、ある程度改善されるのではなかろうか。大きいどんとしたことをやらなくてもいけるのではなかろうか。それだけをやってみよう、その結果によって成果が得られないならば、また考えよう、こういうような段階的な、足が地に着いたといいますか、そういう具体的な案からやっていった。それが一つの成功例だったと思う。 (2グループ)

2.中立機関について
 

内 容
設置主体
<事業主体ではない「県」が設置するということが良い>
  • 北海道の事例の場合は、道知事が設置しているというのがいいところだ、ただ徳島県は、県が中立でないから難しい。また、千歳川の場合は、正式に知事がそれを要請したということが非常に大事だ。(1グループ)
  • 事業主体であるところが検討委員会を設置したのではないというところに結構話が行った。(3グループ)
メンバー
<行政と市民団体の両者が認める人がメンバーになるというのが大事>
  • 愛知万博の例からは、それに対して市民団体から推薦の委員を出してもらうというアイデアがすごくいいのではないかということだ。また、行政と市民団体の両者が認める人がメンバーになるというのが大事で、愛知万博の例はいいのではないか。(1グループ)
  • 反対の人、賛成の人、すべての人から、第三者として認められるようなメンバーが集まった委員会とか会を立ち上げることができた。それによって、直接1つのテーブルというのではないんだけれども、個別にでも話し合いをして、それがずんずん拡大していくというような形で進展を見ることができたということが共通ではなかろうか。(2グループ)
<民主的にメンバーを選ぶ工夫が必要>
  • ただ、県なり2市8町がつくる場合に、メンバーの選び方になると、審議会と同じようなイメージがついて回るのではないかということで、メンバーの選び方とかは、もう少し市民が入れるような工夫とか、民主的に選べるような工夫が要るのではないかというようなことが出た。(3グループ)
<選定過程がいかに公開されているかが大事>
  • 中立性のある第三者機関というのがどの事例を通じても非常に大切だ、これをつくることが大事だということをみんなで確認した。その第三者機関がいかにして中立性を保っていけばいいのかという点では、選定過程がいかに公開されているかが大事だろうということが出た。愛知の6者協議など、みんなで選ぶということが大事だということ。(5グループ)
<事例を徳島に置き換えた時に、誰がどのように選ぶかが課題>
  • 徳島に置きかえたとき、それを具体的にだれが選ぶのか、その選び方が課題となるだろうということも出ている。また、愛知の方は、全国組織とのかかわりがあったが徳島に置きかえたときに、そういった上部団体を持つ組織があるのだろうか。県内の問題なのだから、県内でよい知恵が出せないかということも出ている。(5グループ)
<コーディネーターが意見を聞きながら中立機関を立ち上げる>
  • 調査団の話は非常に参考になるだろう。第1段階で、まずコーディネーターがいろんな方たちから意見を伺って、どういった中立機関がいいんだろうかということを伺いながら、第2段階で中立機関を立ち上げる。そういった方法が現実的ではなかろうかという話もあった。(4グループ)
<諸団体ではない市民の声を大事にすべき>
  • かかわる人々の範囲について、諸団体だけでいいんだろうかというのがあり、流域の住民全体に声をかけて、むしろ住民が諸団体よりも意見の権限を持った方がいいのではないか。それと連動して、住民も責任ある行動をしていかなくてはいけない。これがセットになって、市民の意見を大事にすべきだということがある。(4グループ)
  • 声なき声といった民意をどこまで吸い上げることができるんだろうか、そのための提案として、アンケートや一般公募枠を設け立候補してもらい、所信表明をして、それを市民が選挙で選ぶといった話が出ている。アメリカ大統領選挙と同じように投票権を持った人間を一般公募で募集し、選挙で選ぶ。(5グループ)
権限
<事務局の権限…事務局は事務方に徹する>
  • 事務局は事務方に徹するというのも大事な問題だ。(5グループ)
<行政の権限…強制的手段をとらない>
  • 行政が強制的手段をとらないということが重要。(5グループ)
検討内容
<複数案を検討する仕組みが大事>
  • これから持ちたい検討会としては、複数案をきちんと検討していくような仕組みが大事なのではないかということがある。(4グループ)

3.情報公開
 

内 容
議論の公開性がある
<委員会で討議する姿を見たりして…>
  • その委員会の中で随分熱心に討議をしている姿を見たりして、反対の人も結果的にはついてきた。(2グループ)
まっとうな議論を呼び起こす情報を公開する
<コミュニケーションを図る材料についての情報公開が必要>
  • コミュニケーションを図るというのはとてもいいけれども、コミュニケーションを図る材料が、吉野川の場合、今はまだないのではないかということで、そういった情報公開もあるといいということが出た。(3グループ)

4.その他
 

内 容
審議委員会の問題点について
<メンバーに片寄りがあった>
  • メンバーについては、吉野川の場合は、審議会のメンバー構成が中立的でなかったのが問題ではないかということだ。(1グループ)・中立として委員の人が選ばれたはずだと思うけれども、賛成派ばかりではなかったかということが指摘された。(5グループ)
<国が勝手につくった>
  • 一番最初に審議会が立ち上がったのは、国が勝手につくったからということで、いろんな人たちに認めてもらえるような中立の機関であるべきであろうということが、これまでの反省ということで出されている。(4グループ)
過去は余り掘り下げるべきでない
<過去に戻る例は余り参考にならない>
  • 成田空港の事例については、余り参考にならない。なぜなら、過去に戻るというのは、形的には必要かもしれないけれども、余り掘り下げるべきではないのではないかということが出された。(1グループ)・今までのことについては、ちゃんと法律にのっとってやってきた経緯もあるから、そのことは余り深くやらなくてもいいのではないか。(4グループ)
白紙の定義を厳密に行なうよりも前むきに話し合うべき
<何もないところから話し合うべき>
  • 白紙という問題に触れないということも大事ではないか。白紙の言葉をだしたら、疑問団体はこない。なにもないところから、話し合えばよい。(5グループ)
千歳川方水路検討委員会のメンバーについて
<構成メンバーを知りたい>
  • 千歳川方水路検討委員会の委員の7名は誰か。(5グループ)→委員長は小樽商大の学長である。あとは、河川工学や、環境問題の先生方である。詳しいメンバー表は公開されているはずなので、次回資料でつけたい。(吉村)