第10回懇談会のまとめ         2001年2月3日 第11回吉野川懇談会資料

3.中間提言の補強課題として「対話のための条件整備」について提案(進行役より)
対話のための条件整理
<仕組みと検討の場を改めて考える>
  • 第十堰を取り扱うさまざまな場(疑問団体・推進団体、第十堰にかかわらない市民団体、流域住民、建設省、県・流域市町村、学識者等)があるが、これらが検討の場に着くために、それぞれどういう役割、関係を持ったらいいのか。そのために必要な新しい仕組みとは何かを考える。
  • 中間提言では、反対、賛成、建設省も含めて、意見の異なる団体を中心にした共通のテーブルで話し合うことを提案した。しかし、いろいろやってみたけれども、一緒のテーブルには着けないという状況がある。共通のテーブルに着くための条件整備をどうしたらいいかを考える。
  • これから最終提言に向けて考えなければいけないのは、共通のテーブルの前の段階でどんな調整をしたらいいんだろうか、条件を整えたらいいのかということ。
<条件整備にむけて、行政がすることは何か>
  • 可動堰は白紙になったのだから、市町村は可動堰推進決議を撤回する必要があるのではないか。
  • 仮に可動堰をやることが合意されているとしてもすごく長期にわたる。そのときに、当面の防災対策を考えていく必要がある。これをどう考えるのか。
  • 情報公開のシステムを整備する。
  • 団体ばかりでなく、もっと市民の声を聞く。具体的には、みんなはどう思っているのかということを調べて、やっぱりこれをつくった方がいいのでは、ここからスタートした方がいいのではというたくさんの市民の声があるとすれば、団体の人もその結果が明らかになれば共通のテーブルに着くかもしれない。
<条件整備に向けて、市民が参加できることは何か>
  • 反対とか賛成とか白紙の解釈というのではなく、川掃除とか、みんなができる行動をして、同じ場所に着くきっかけとする。
  • 合同の現地調査、公開討論会、シンポジウム、マスコミによる意識調査、建設省による意識調査、市民団体
  • いろいろな市民による解決案の模索、流域ワークショップ、解決案のコンペ、など。
話し合いの方法・手順
<建設省と団体等が個別に話しあう方法>
  • 事業主体である建設省と団体との間にはパイプがある。建設省が話し合いを提案すれば、それを否定することの理由はとりあえずない。何を話し合うんですかとか、いろんなことがあるにしても、個別からやるほかないというのが一つ。
<仲介役を立てて、建設省と団体等が個別に話しあう方法>
  • そのときに従来のように大平所長とだれかとの直接のやり取りの中では、これが出来なかった。そこで、両者の間に仲介者を入れて3者での個別の話し合いをするやり方が一つ。
<中立機関を設け、建設省も含め団体等との意見交換や調停を行う方法>
  • もう一つは、建設省が中立の機関を設けるということがあるかもしれない。千歳川放水路がそうです。中立機関が各団体と意見交換して、その中立機関がある方向を提言して・・・ということも考えられるかもしれない。
  • 中立機関、アドバイザーの選び方の問題はあるが、学識者、全国的なNPO、例えば全国水環境交流会議、日本生態系保護協会といったところの人に入ってもらい、その対立の問題をいろいろ考えて、行政のぎりぎりのところと、市民側の感覚でいうとこうだとか、少し工夫を凝らして前に進めていく。
<対話の場は決定の場ではないことを確認して話し合う>
  • テーブルについた人が決定するのではなく、あくまでも審議したり研究したりする。最終決定は、一般市民にしてもらう。そういうテーブルの性格をあらかじめ設定しておけば、皆さん、喜んで来るのではないか。
  • 対話の場は、そこに着いた人たちが、合意できるものを出せるかどうかという確認の作業をするところであって、その場で全部決めるのではない。(吉村)
<仲介者をたてて話し合う>
  • 第十堰解決のために、仲介者を通して、各団体や当事者に話をしていただく。できれば県内の人に、懇談会として依頼する。
<共通のテーブルの実現は難しい>
  • 共通のテーブルを開きましょうといっても、アイデアを持っている反対の方々は絶対に来ない。
<市民参加による計画づくりから始める>
  • 共通のテーブルはできないと思うので、市民参加による計画づくりの方法を考えるステップに進み、そこに中立機関を設置する。事業主体が出てくるのではなく、県議会の中に中立機関を設置するとか、そういう新たな土俵をつくって始める。
  • 白紙撤回なのだから、市民参加による計画づくりの方法を考えるステップからなら始められるはず。
市民の声なき声を反映させる
<県民の声をもとに集約する>
  • 最終提言に向けて、できるだけ大勢の県民の意見を聞く。できるだけ大勢の方の意見を聞くということで、最も経費がかからず、資料を公開していただき、住民の声なき声を聞く。意見を持った人たちが集まって、新しくこういうふうな話し合いの場をもつ。これは建設省も入り県も入る。
  • 高度な情報も聞ける時代なので、専門家が県民の意見を集約する。それを何回もするとか、数社のものを採用して、それを建設省が受け入れるとか、そういうことをする方が結論は早く出るのではないか。民主主義の時代だから、今はたくさんの意見を集約できて、それがデータとして出てくるので、県がやるなり、市がやるなり、建設省がやるなり、どこがやるにしても数社の何回かのそういうデータをつくれば、どちらの意見が大勢いるということが集約できるのではないか。
  • 将来に向かって吉野川をどうしたらいいかという具体的なものがなければいけない。そういった具体的な案を皆さんから出してもらう。対話というのは向かい合って話すことであって、決定することではない。こういう具体的な案がある、それを真摯に検討し、研究しませんかということで、それを決めるのは、そこに集まった人の多数決とかではない。最終的に決めるのは県民の皆さんだ。
  • 流域住民を対象にして意見の集約もできると思うので、それを第一義的に考える。
  • 今は上意下達ということ。だから基本的には下意上達にしないといけない。
<行政がアンケートを行う>
  • アルバイトを使って戸別訪問をしてアンケートをする。これを提言の中に含める。
  • 公開討論会とか、地元住民のアンケート調査とか、そういう具体的な、そして住民の意識が余りあちこちにならぬようないい手だてがないものだろうかと思う。
  • 流域全体が早い段階からアンケート調査をするなり、住民投票にかわるものができれば一番よいと思う。