うちの一番の目玉としては、多様な案について、3段階で公開コンペを行ったらどうかということが出た。今までの計画というのは、建設省が1つの堰の形を出して、これでどうかというマル、バツのことだったが、計画段階から市民参加をしてもらって、アイデアをどんどん出してもらうということで、一番最初に一般市民の方のアイデアを出していただこうと。それは決して難しいものではなく、小学生でも出せるような、景観を漫画とか絵で簡単にあらわせるようなものを出してもらおうと。これが第1段階だ。2番目に、プロによる設計競技ということを書いているが、ここへ進むまでに設計条件というのがある。堰をつくるに当たっては、治水とか利水とか環境、景観、機能・・川を学習の場にするとか、そういったことだが、多機能の堰にしようとか、また、安い、つまり
1,000億かけていいのかどうか、もっと安くできるんじゃないかとか、そういう話、それからこれをいつまでにしなければいけないか、何十年もかけて堰をつくったのでは、それまでに洪水になったり、堰が壊れたりすると何の意味もない。だから、早くしなければいけない。そういうことが4つとか5つとかでているが、それを条件にして、その条件をクリアして、2番目の設計競技に行くわけだ。これはある程度プロの方ということになるが、1番目から2番目に行くときに、これらを全部クリアした条件で設計していただく。そして、この設計には、建設省にもいろいろプロがいるわけだから、固定堰案を含めた案をそこへ出していただき、できるだけたくさんのアイデアを集めようと。こちらにある「よい案の選択」というところで、Aからずっと流れているが、たくさんの中から選べるようにしませんかということだ。
3番目として、これらの公開コンペの中から出てきた案どれか1つでいくというのでなしに、そのいいところを集めて新たな案をつくるということだ。
これで3段階に分けた公開コンペということになるわけだが、最後に出てきたものを評価委員会というところで評価することになる。この評価委員会の構成は、賛成派、反対派から委員を推薦してもらい、同数の専門家による委員会にしようと。そして、その過程はオープンにして、だれもが見えてわかる委員会にしようということだ。その委員会には、行政とか河川管理者も出席したいということがあると思うが、知事とかは、明らかに可動堰賛成派なので、その人に出てきてもらっていいかどうかという議論は当然ある、それらはまた考えていかなければいけないということだ。
最後に出てきた案は、一応堰のことだけについて考えているわけだが、堤防の道路を拡幅して、強固な堤防をつくることによって洪水を防ぐとか、そういったこともあわせて考えていこうと。そういうハード面とソフト面、例えば洪水が来たときに逃げ道をどうするのかとか、被害に遭ったときに保険でカバーするとか、国の方から補償をするとか、そういったことも考えていっていいのでないかというのが第1グループの結論だ。(発表者:豊田) |
第2グループとしては、1番の課題として、人命尊重及び安全、安心の理念を第一に考えた。バランスのとれたもの、治水、利水、環境を満足するものであるということ、技術的、経済的、社会的な条件を満足するものであるということ、それから現状の確認を第一にやらないと次なる案が出てこないと思うので、上流を含めた吉野川全体を考えてもらうと。それと、ミニ吉野川をつくって、水理実験などをやってほしいということだ。また、食い違っている点をたださないと、お互いにたたき台が違えば、いいものは絶対できないので、たたき台を共通化するために、違っている点を出してもらって、たたき台を同じところに持っていくということだ。結果としては、現状以上のものを期待するということが出ていたので、一言。
案の出し方だが、流域の住民からのアイデア、もしくは専門家で、懸賞金をつけるというのもあったが、やっぱり年寄りのかたい頭でなしに、中学生、高校生、大学生のやわらかい頭のアイデアを募集するというのが1つ出た。それから、現状を超えるものでなくてはならないというのが1つ出ている。もう1つ出たのは、あくまでも分水が基本になっているので、第十の樋門を含んだ考え方をしてもらえぬかというのが出ている。
審査の方だが、1次、2次に関しては、この懇談会みたいな素人の集団でやってもいいんじゃないかと。それから以後は、専門家による審査をお願いしたいということだ。それと、いろんな案が出てくるので、部門別に審査してもらうと。それから、案を公開の場でやる・・公開の討論会ですね、そしてコメントなり裏づけを地域住民なりに説明して決めてもらうということだ。それと、吉野川の懇談会が公正な立場でやるためにはもっと勉強したいということが1つ出ている。
案づくりの選択に関しては、子供から大人まで含んだイベントなどをやって参加してもらうということが一つの条件じゃないかと。たくさんの人に集まってもらうということがいいんじゃないかということが出ている。それと、グループ別に各方面の意見を広く募集すると。それと、地元地元の説明会をやるのがいいのか、大きく何十人にも何百人も集めてやるのがいいのか、これは案がまとまらなかったので、両方書いている。大体以上である。
(発表者:米崎) |
第3グループは、理念として、これは皆言っていることだが、生命、財産、環境、この3つに配慮したものをつくるということで、その中で何を重点的に考えるかというと、命を一番に考える。2番目は、財産が被害を受けるということ、3番目が環境と。命あってのあれだということで、危険性をできるだけ少なくし、安全というものを第一に置いたものをつくる。こういうことで、一応合意を見たのだ。
それから、多様な選択ということで、これは反対派もあるしあれだが、まず県下の大勢の人の意見を集約するということで、池田から鳴門までのいわゆる吉野川の沿岸の市町村を単位として、第十堰をどうするかということで意見を集約していく。その中には、いろんな住民団体、業界団体、漁協、農協、商工会もある、あるいは地域の町内会とか、いろんな組織があるわけだから、市町村で一番影響の受けるところで話をしてもらって、みんなが一体になってすると。直接被害を受ける地域は、鳴門から池田までの沿岸であり、徳島市とか徳島市から南の方、旧徳島市などは、ご承知のように、鮎喰の堤防で水害は食いとめるし、直接の影響というものはないわけだ。一番影響があるのは、三好郡から美馬郡、この沿岸の地域だから、沿岸の地域の人の意見をできるだけ集約して、みんながともに生きるというか、共生の社会だから、徳島市のいろんな意見のある方も入っていただき、全体の中で結論を出してつくっていく。例えば、呼びかけても入ってこなければ、これは非常に非民主的で、命に関係したような中で、それにも入らない、自分の意見だけを通すということは、独裁者というか、ヒットラーみたいなもので、こんなのに引っ張られたのでは、これから続いていく直接被害を受ける地域の人にとっては非常に気の毒であるし、行政にしても、少なくとも行政というのは、生命、財産を守るということでつくっているわけだから、この責任も十分とっていただいて、とにかくみんなが話し合いをして、いいものをつくっていく。こういうことで、概略意見がまとまった。あとは、専門家とか、いろいろなあれもあるが、そんなことで提案をしたいと思っている。(発表者:岡久)
補足の説明をさせていただく。行動目標をつくるための一つの案だが、今日、一般参加者の方からのご提言で、私はあくまでも中立だが、反対派の人の言うことをうのみにしてでも、同じテーブルに着くような機会をつくると。懇談会としてそのような責任とか監督、指示命令系はないと思うが、それを皆さんから働きかけて、建設省の方に申し入れでもして、白紙撤回にしたいんだったら、それをやって、それで向こうの言い分を聞いたらいいのでなかろうかというようなご提言だ。これはごもっともな一番即効性のある意見だと思う。効率的だ。まだるっこいことと言ったら怒られるが、所長さんはこの次にそういうような機会を持つとおっしゃっているが、引っ張り出すような案ができることが土俵づくりの基盤でなかろうかと思う。
(発表者:谷口(将))
補足説明を1つさせてもらう。反対派の人は、堤防のかさ上げをしたらいい、拡幅をしたらいい、補強したらいいと、3つの案を出しているが、堤防のかさ上げをすればするほど危険だ。堤防が決壊したときが大変だ。かさ上げはできない。拡幅するときは、これは多くの面積を広げないといかぬ。堤防のすぐ南にも、すぐ北にも、前の吉野川の拡幅のときに、明治から大正にかけて拡幅したのだが、立ち退いて、堤防の外にずらっと家が並んでいる。久次米銀行というのがあったが、立ち退いて、今は影も形もない。立ち退いた人に、もう一遍立ち退いて、向こうへ行ってくれと言っても、だれが立ち退くか。それの面積が広いものだから、莫大な金が要る。拡幅も絶対できない。補強するというのだが、あの堤防を補強するのには物すごい金が要る。到底
1,000億ではできない。その3点から言って、堤防の拡幅、かさ上げ、増強は絶対できないということを皆さん確信してほしいと思う。(発表者:木村) |
今までの中にない意見が私たちの方にある。
まず、理念と計画の条件だが、安全で安心のできる、治水上、利水上、現在よりももっとよくしてほしいという意見がある。私が申し上げたのは、水がばっと出てきて、その水をとめるのはやっぱり建設省にしていただかなかったらぐあいが悪いでしょうと。水が来て、さあ逃げろというのは、私が一人逃げたらいいことだが、水が私のところまで来るよりも先にとめていただきたいということを申し上げた次第であるので、これは建設省にぜひお願いをしたい。環境に優しいこと、また違う堰ができたときでも、環境は後からついてくるものだというような意見もあった。環境は全体として考えるべきであって、環境が変わるけんあかんのやということについては、新しくいろんなことができて、その中で、環境というものは徐々に変わっていって、それになじんでいくものだというような意見もあった。経済効果が期待できる。かわったものができて、観光の名所にして、魚釣りといった意見もあった。
こういうものをつくるについては、客観的な数値、現在の金額がどのぐらいになるかというようなものもある程度考えてほしいということだ。子供がその地域の中で遊べるような場所、それから魚道があって、人に会いたいお魚はこっち、人に会いたくないお魚はあっちを通ってもらうと。それから、カヌーが上から来たときでも通れるような、運河として使えるようなことも欲しいというご意見がございました。基本構想の中にデザインをちゃんと含めて考えていただきたいということもあった。
次に、どのような案をどのように用意するかだが、水を使って生活している人、今も取り合いの水路があるように、企業を対象に懸賞募集とか、世界各国からインターネットを使って募集をしたらどうでしょうかというような意見もあった。それはどのくらいのもので、どうするかということは情報公開する形になるという意見もあった。また、素人でも、こういう施設が欲しいなという、先ほどの魚が通る道とか、子供が遊べるようなという計画を提案して、それを生かしてほしいという意見もあった。工業用水として利用していただいているたくさんの法人の方、現在利用されているようなところからも案を出していただきたいということも言われた。
考えるのに、お金がかかるということで、吉野川のために、他の場所から来ないだろうかと。北島、鳴門、松茂の上水道、徳島市の水道局等の関係の市民、利用されている側から、こういう計画をしてほしいといったご意見をいただきたいということだが、新しい案づくりのためには、建設省はお金がたくさん出るのだろうかということを言われている。
評価の方法として、工学的な判断ができる集団、専門的な工学部の先生みたいな方である。いろんな意見が出た中で柔軟に対応していって、募集をした場合には、これとこれとこれという3つぐらいに絞り込んで、専門家、学識経験者、ジャーナリストといったお方が、これがいいだろうというように決めていったらいいでしょうということだ。
案づくりや選択の過程をどうするかという最後のところだが、かわら版を県庁に置いたり、新聞の折り込みや市の広報とか県の広報とかに入れてほしい。また、インターネットとかで一般に公募して、今のかわら版を倍にして、県民、市民に広く知っていただきたい。そして、我々がこういうような話し合いとかをしていて、最終的には2案、3案というのが出てきたときには、住民投票で決めたらどうかという意見も出ている。
最後に、共有できるテーマの確認だが、共通のテーブルの形については、建設省と反対団体が1対1で話し合いをすると。逐次人数を増加する。双方とも謙虚になるべき。情報公開をする。直接利害関係のある方、分野を満遍なくしてほしいということだ。建設省、専門家、徳島県、市民団体、そういう方々で話し合いをしたらどうかということだ。
進行役は、自薦と。懇談会がこれから進行役になるのであろうかというような意見も出ている。
(発表者:井上(久)) |
まず、共通のテーブルに反対団体の代表が入ってくれなければ、話にならないが、反対団体の方では、この懇談会を可動堰事業が必要との前提に立った代替案づくりを誘導する動きであり、また事業の必要性の是非から議論していくことが重要とも指摘している。これは6月1日の朝日新聞だ。それと同ページに、建設省の言うゼロからの話し合いの意味が不明確と。これを明確にしない限り、反対団体は共通のテーブルには着かないだろう。しかし、建設省が言うゼロからの話し合い、「ゼロからのスタート」というパンフレットがあるが、この中には可動堰計画は白紙撤回ということは一言も書かれていない。聞いてみると、可動堰計画は白紙撤回しないと。それじゃ、玉虫色からのスタートじゃないか。ここら辺をクリアしない限り、反対団体の代表は出てこないだろうという話があった。これをクリアするためには、大平所長にも考えていただきたい。
まず、理念や計画条件だが、第1番に、人の命と財産を守る。これは当然のことだ。2番目は、早く安全に解決してほしい。3番目が、環境破壊をもたらさない。4番目がむだなものをつくらない、むだな公共事業投資はしないということだ。また、賛成、反対を言い合う前に、水がいかに大切かを十分話し合うべきだという意見もあった。また、詳細な調査をしてから、こういうのは決めた方がいいのではという意見があった。次に、多様な案をどのように用意するかについては、コンペをするとか、マスコミを通じて市民レベルから集めるという意見や、おもしろい意見として、小中学生からアイデアを募集したらどうかというような意見もあった。次に、多様な案をどこでだれがどのように評価するかについて、流域住民の団体とか、技術的専門家とか、行政、各種団体、法律家等の代表というような意見が出たが、利権に絡む人間は排除する、特に行政という強い意見もあった。それから、木頭村の藤田村長は大変偉いと。審議委員会の委員を選ぶには、選定は慎重に行わなければならないということだ。また、今回の審議委員は全く役に立たなかった。ここら辺のところを審議委員会から来てもらって、話を聞いてみたらどうかという意見もあった。(発表者:酒井)
前回もお願いしたが、固定堰を10mぐらいの幅で検査解体をするように審議願えたらと思う。どこまで空洞か、私が見た範囲では、ろ過された水が出ている。鯛浜にある今切川の固定堰は、大きさからいうと第十堰の5分の1ぐらいで、側面が2mぐらいのコンクリートで固めてあり下の方から浄化するような堰であった。そのときの水は、上流の水がろ過されないまま出てた。2カ所だけ。だから、第十の堰を10mぐらい試験掘削、解体して、反対派も賛成派も皆が立ち会いで現場を見たら、後、この場に姫野さんなり市民グループ、また宮本さんなりのお姿が見られるようになると思う。私が申し上げたのは、あくまでこれは第十堰賛成、反対じゃなくて、そういうことを第三者的に判断して、市民参加、住民参加の立場の協議の案をつくるのが目標ではないかということだ。(発表者:小西)
基本理念、計画条件は、安全で美しいきれいな親しめる命に優しい吉野川という非常に文学的な美しい表現が出た。多様な案を用意する方法については、広く市民レベルのアイデアを募集し、その中から何案かを抽出して、その案に基づき、専門家のレベルのコンペを実施する。国際コンペというような話も出た。その案を評価する方法だが、評価する委員会としては、流域住民代表、技術的専門家、弁護士、市民団体の代表、行政の代表、各種団体の代表という意見もあった。案づくりに流域住民が参加する方法については、出た案に対して、再度メール、ファクス等で、流域住民の意見を聞くという方法もあるのではという意見もあった。共通のテーブル自体の運営方法については、第3案とも関連するが、人数は20人程度で、第三者的立場に立つことが大切ではないかという意見もあった。現状の堰の共通の認識方法としては、堰を解体という意見も出たが、まず第1に、現状の堰を客観的評価をして、その評価に対する認識を持つことが必要ではないかという意見も出た。(発表者:中木) |