「明日の吉野川と市民参加のあり方を考える懇談会 -第十堰から始める新しい川づくり-」第 6 回 懇 談 会 資 料

 ■資料説明に対しての全体討議のまとめ

内 容
懇談会について ・私らが思っているのと大分違うように思う。この会には第十堰をどうするかと、その結論をだすために寄っている。ところが、吉村さんの説明では、この会は建設省の案以外の案を出す会かのように思える。第十堰については案が2つある。建設省以外の案といったら第十堰を残す案か。我々素人には建設省以上の案は到底できそうにない。もっと問題を絞り、明確にして前に進むようにしないと、今のところ堂々めぐりばかりだ。
 →7月15日にこの会がこれまでの可動堰と違った案をここで提案するということではない。この懇談会の趣旨は、今、新しい案をどう考えるという時点に立って、その案を考える。あるいは検討する受け皿とか、市民参加の方法を考えて提案しましょうということだ。この懇談会自体が案をつくるということではない。それから、2つの案しかないということだが、ちゃんとした条件が与えられれば、いろんな案が出てくる可能性はあると思う。やってみないとわからないが、十分可能性があるので、そこへの提案をしたい。(吉村)
現状認識について ・現状認識、現在どうなっているかということだ。上流に完全な堤防が全て完成したときに、第十堰のところの水位、流れ、堤防の強度がどうなるかということを、皆なるほどなと認識した上で、これから第十堰をどうするかと。
 われわれが検討する以前に、ある程度データ(費用対効果など)を出さないと、ただあれしてくれ、これしてくれといってもどうなるのか。第十堰を残した場合に、水量、水圧、流量などによって、今の堰が持つかどうか。今までの計画では3つ位ダムをつくると言っていたのが、今後ダムはできないと建設省は言っている。それなら現状のままでやった場合にどうなるのか。地球温暖化で雨量が増えることもある。このようなことがあって、その上で安全、利水、治水、環境というものを含めてどうするか。
現状認識というのは、だれだって、同じものが出てくると思う。現状認識の面でそうじゃない、ああじゃないと言いよるから、説得できるような現状認識のそれを出してほしい。その上でどうするかということを検討する。
 →そういうことも話し合って、その上で多様な案の前提となる基本理念や計画条件をどうするかということもテーマとしてあると思う。グループ討議の中で補強してほしい。(吉村)
・建設省は今データがあるんでしょう。現状こうですよ、将来こうなりますよとデータを皆に公表してほしい。
 →今言われたことは、まさに大事なこと。そこが共通認識なり、多くの人が理解しないと、第十堰の問題解決案はなかなかでてこない。その作業については次の共通のテーブルができたときに、話さなければ。今何かの形でパンフレットを出してもデータの真偽で論争がまた起こるだけだ。だから、話し合いのテーブルはこうしましょう、このテーブルでは建設省が出すデータをみんなで勉強していって、ここはもう少し調査が要るねというような形での共通理解をしていく。だから今の提案は、次のテーブルではまずやらなければならないことだと思っているし、そのための準備を今しているところだ。(大平所長)
・後先が違う。現状を知った上で対策を考えるというのでないと。
基本理念、計画条件の重要性について ・基本理念や計画条件をもう1度確認して、その上に立っていろいろな問題を話し合わないことには、とてつもないことを考えることにならぬとも限らぬと思う。生命、財産の保障、絶対的な安全ということの上に立って、その次に環境、治水、利水を考える。要は、第十水門がなければ、どうということはない。水門があって下板の方へ流すということで、堰がある。そうであれば吉野川の上へ向って1kmか2kmか導水路をつくりそこへ流し込む。しかし、私の言いたいことは、貴重な水を垂れ流しにして、紀伊水道へ皆流すということは、とんでもない話。これをせきとめて利用して価値が出てくる。またお金がようけかかるということは、後の人で考えてもらったらいい。100年もつようなものができるのだから、少々金が要っても立派なものをつくり、安全なものにしなければならない。それを反対の人にも市民の今物を言っている人たちにもわかってもらえるのが大事と思う。
 →ここにいる皆さんはそれぞれ計画条件で思いつくものがたくさんあると思う。わたしたちが言っているのは、計画条件のところをちゃんとしないといけませんよ、こんなこともあるねというところまでだ。ここで決めて、こういう計画条件で、反対団体の方どうだ、ということではない。(吉村)
情報公開について ・先ほど所長より、市民団体から質問があったときに水量や水位を市民団体に知らせるとの話があった。市民団体に対してはそうかもしれないが、住民全体についてはなかなか伝わらないこともある。マスコミの発表でわかるとしても、常日頃建設省へ私どもが参った際に、情報公開の部屋があり、気軽に物事を見れる。要求しなければ情報が出ないとか、わからないとか、わざわざパンフレットをつくって配布するようなことでは困る。私は建設省のどこか一室で、全体の情報が随時みんなにわかるような方法をとっていただいた方がいいと思う。
 →情報公開の問題は、検討する課題の中で、どこか関係してくると思う。課題としてあがってくるような議論をグループ討議でしてほしい。(吉村)