ふるーぶ日記

「遊山箱 − こころ伝える玉手箱」

先日,国民文化祭50日前イベントとして「遊山箱ーこころ伝える玉手箱」が徳島市の郷土文化会館で開催されたので行ってきました。

第一部は服部栄養専門学校理事長・校長の服部幸應さん、女優の藤村志保さん、脚本家で日本放送作家協会理事長の市川森一さん、飯泉嘉門徳島県知事、武庫川女子大学准教授で遊山箱について本も執筆されている三宅正弘さんによるパネルディスカッションが行われました。

第二部は、藤村志保さんと作曲家でピアニストの中村由利子さんによる「遊山箱」をテーマにした朗読とピアノ演奏が行われました。

遊山箱はふる〜ぶ62号でも特集を以前しましたが、徳島ならではの風習といわれています。旧暦のひな祭りの頃、吉野川の河川敷や野原、山などに、巻きずしやういろう、玉子焼きなどのごちそうをいっぱいいれた遊山箱をもって、でかけるという素敵な風習がありました。

今回のイベントでは県民の方々からいただいた、遊山箱の思い出をモチーフにした朗読劇では、第二次世界大戦の時、出征前に遊山箱を作ってくれたお兄さんの話や、お父さんが一生懸命遊山箱をつくってくれた話など、こころあたたまるエピソードが1つのストーリーになっていました。

パネルディスカッションでは食育という観点からみた遊山箱の風習や、文化としての遊山箱などいろいろな話がでて、改めて「遊山箱」という風習がある徳島はいいなぁと思いました。

ロビーでは、江戸時代から昭和にかけての遊山箱やみなさんから送られてきた遊山箱の思い出のハガキなどが展示されていました。 徳島の文化を再発見する機会になりました。

(藪田 ひとみ)