近年、吉野川の川原において、外来種であるシナダレスズメガヤが急激に繁茂してきています。外来植物のなかには、環境面や治水面へ問題をひきおこすものも確認されており、シナダレスズメガヤについても、同様のおそれが懸念されています。徳島河川国道事務所では、平成16年1月より、『シナダレスズメガヤ対策検討委員会』を設置し、シナダレスズメガヤが河川環境に与える影響などの問題点を把握したり、その対策を検討しています。今日は、その検討の一環として、行うヤナギ伐採の試験施行事前鳥類調査に同行させていただきました。
ヤナギの木の生えている場所は、吉野川の流れが遮られ、流速が遅くなります。その結果、砂が木の後ろに溜まっていくことになるのです。シナダレスズメガヤは、砂地などに生えやすい性質を持っているため、今回試験的にヤナギの木を伐採し、河床材料がどのように、変化していくのか、モニタリング調査をすることになりました。
取材を通じて、吉野川には、何度も出かけていますが、これほど砂地が広がる場所を歩くのは、初めてです。どこからか、ウグイスの声が聞こえ、ヒバリが天高くとび、さえずっています。3メートルぐらいの高さの所にハシブトガラスの巣が見つかりました。ヒナが、口をあけて、エサを待っている姿を見ることができました。近くには、昨年の出水でこんなところまで水がきたのでしようか。長靴がぶらさがっていました。調査のため、ヒナたちの成長を妨げることはできません。この木は、ヒナたちの巣立ちを待って、切ることとなりました。
このような調査の結果については、委員会や、インターネットなどを通じて、皆さんに紹介していく予定です。
(記・川西洋子)