3月5日(土)フィールド講座「コアジサシ デコイ(模型)作り」〜吉野川にコアジサシを呼び戻そう!! 〜が開催されました。以前は、吉野川で観察されていたコアジサシ(環境省レッドデータブック:絶滅危惧II類)の繁殖が少なくなっていることから、保全対策の一環として、コアジサシのデコイ(模型)を作り、吉野川に置かれたデコイを見て、自分たちの仲間がいると思い、安心して繁殖活動をおこなうようになることを目的にしたもので、約60人の親子が参加しました。コアジサシは、オーストラリアやニュージーランドから日本に4月頃に飛んできて、8月には帰っていく体長約28cm、体重は約60gの渡り鳥です。
まず、コアジサシの生態や特徴について河川環境アドバイザーの小林 実さんから、分かりやすく解説がありました。「野鳥たちは自然が残してくれた財産であり、野鳥と自然のかかわり、人のかかわり、身近な野鳥について考えていくことが大切なのですよ」という話が印象的でした。
四国大学の生活科学部児童学科の成田さんと森さんを講師にデコイ作りがスタート!頭の部分や尾の部分をつくるのが難しい!私が作ったデコイでは「ちょっと元気がないですね。眠っているみたいになっているので、少し頭と尾をあげてみましょう」とアドバイスをうけ、少し上を向いたようにすると、みるみるうちに元気なコアジサシに変身。まぁ、すごい。形を作った後は、コアジサシと同じ色をデコイに塗っていきます。おなかの部分から塗り始め、最後は黒色で頭のくちばしの先を塗るのですが、どこまでが白色でどこからが灰色、くちばしは黄色といったように、本物となるべくそっくりにしようと、真剣そのものになって塗りました。そして無事完成。本物そっくり!?(と私は思っています。)川西さんは私よりも苦戦した模様。
参加していた子どもも、大人も関係なく手をどろんこにして楽しそう(^o^) 「もっと、ここに粘土を重ねたらそっくりになるよ!」と親子で相談しあったり、楽しそうな笑い声が聞こえると思ったら、色を塗るときには、真剣な表情で実物大の写真と見比べて「くちばしはもっと大きいかな」と塗り直したり。あまった粘土を使ってひなや卵をつくっている参加者もいました。創造力がどんどんふくらんでいったようです。
子ども達も「コアジサシの事は知らなかったけど、自分がつくったコアジサシをみて川に呼べるといいな」「こんなん作るん、初めて!面白い」と楽しそうに話していました。保護者の方々からも「デコイを作ることによって、仲間がいると思って飛んでくる可能性が高いということを初めて知った。」「子ども達が一生懸命、楽しそうに作っているのをみて、自然に学べているのがよかった」「こうして親子で同じモノをつくる作業そのものが楽しい」という感想も聞けました。
完成したデコイの数々をみているとまるで本物のコアジサシが並んでいるようにみえました。
次回のフィールド講座は3月19日。吉野町の西条大橋付近の川原で今回完成したデコイを設置します。!沢山のコアジサシが吉野川へもどってきますように!
(記:藪田ひとみ)